※原文が日本語の声は、原文を尊重して手を加えず掲載しました。
原文が中国語の声は、原文に忠実に和訳して掲載しました。
日本語原文
広西師範大学日本語科4年 黄春婕
私のもうひとつの学校(日本語原文)
図書館に日本語書庫が特別に設置されることを知ったのは、新入生になったばかりの時でした。中学校からずっと日本の漫画に夢中していた私にとって、なんとラッキーだなと思って、うきうきしてきました。それで、まだ「あいうえお」を勉強し始めるところに、わくわくして図書館へ足を運びました。
書庫に入ったら、ニコニコしている管理人の先生に会い、そして、きちんとした何列の本棚にぎっしりと置かれている本が目に入ってきました。私はもっと興奮になって、本棚の前に飛んでいき、目をキラキラして、大好きな漫画を探してきました。ところが、本棚をいちいちよく探しても、漢字と仮名が変に組み合わせている本ばかりで、漫画一冊も見つけなかったのです。まだあきらめたくない私が、ニコニコしている先生に尋ねてみたら、「漫画?うちにはないと思いますよ。」と答えてくれました。「なに?! 結局無駄の喜びでしたか」、と、わたしはすっかりがっかりしまいました。
だが、不思議なことに、まだ読めない本がいっぱいあるこの静かなところに私は惹かれました。漫画はないけれども、きれいな絵がついている料理本とか、ファッションブックとかをめくって目を通すこともうれしかったのです。そして、子供に向く絵本もだんだん読めました。二年生から、漫画の脚本みたいな簡単な小説を読んでみました。ある単語と文法を抜けば、大体分かりました。この達成感が私にもっと厚い本を読みたくさせてきました。
実は、日本語を勉強する前に、夏目漱石、川端康成、村上春樹以外の日本の作家を知らなかったのです。そんなに有名な作家の作品をすぐ読みたかったが、多分まだ無理だと思って、書名から簡単そうに見える五木寛之の『青春の門』を選びました。『青春の門』には自立篇、友情篇、筑豊篇などいくかの部分が分けられています。五木寛之はその中に描いた青春の情熱や悩みや喜びなどを私はしみじみ味わっていました。それで感想文を書いてみて、作文の授業を担当する日本人の先生に見てもらうと、先生は「上手な書き方ですね。黄さんのように外国語の小説が読め、外国語で文章が書ける人がとてもうらやましいです。」とこういうふうによく励ましてくれました。それから、山崎豊子の『花紋』、遠藤周作の『白い人』と『沈黙』、伊藤佐千夫の『野菊の墓』、そして、有名な夏目漱石の『坊っちゃん』、川端康成の『伊豆の踊り子』などなどを、どんどん読んでいました。つまり、私はもう日本文学の世界にすっかり陥ってしまいました。その世界の中で笑ったり、悲しんだりして、心を潤わせながら、だんだん成長してきました。こんな幸せな私が、いつも本棚の前に立つと、感激の意が心の中に溢れてきています。
この日本語書庫は、私の日本文学への情熱を燃やさせ、豊かな心を養わせるもうひとつの学校だと私は固く信じています。そこで大事な四年間を過ごしていますから。今年6月に卒業してから、また大学院へ進んで、比較文学を専攻として、続いて日本文学を勉強していくのです。そこの大学の図書館にこのような日本語書庫があるかどうかが分からないが、いつまでも、私のこの大事な「学校」をきっとずっとずっと忘れないと思います。
広西師範大学日本語科 3年 何秋丹
本との巡り合い(日本語原文)
日本語の「三国志」、「西遊記」だってあるのか。始めて図書館の四階にある日本語の図書室に入ったら、それほど多くの本がきちんと並べてあるのに驚いた。とともに、突然、子供時代読んだ「三国志」とか「西遊記」などが目に付いて、懐かしく思ってしまった。しかし、子供の頃読んだのは、ただ子供向きの中国語のマンガ本だった。日本語の「三国志」を読んでみたところ、一年生であった私に、たかが易しい漢字と平仮名しか分からなかったのだ。しかし、それをきっかけとして、今後の日本語の勉学生活に、それらの本は私にとってオアシスのような存在となっている。
図書室には、芸術、教育、社会、文学、歴史、経済、科学、言語などいろいろな分野に関する本が並んでいる。その上、それらの本は日本の現代社会もありのままに伝えてくれるし、日本の歴史もありありと描いてくれる。さらに、日本のことはともかく、世界各国の文化事情などについての本もあるのだ。
授業で、先生に夏目漱石の小説を紹介してもらい、これまであまり本を読んでいなかった私は日本語の小説を読んでみたいなと思うようになった。たくさんの日本語の本を贈っていただいたおかげで、読みたい小説を何冊となく読むことができるようになった。日本語の小説の原著は読んでも表しか分からなかったが、中国語に訳された作品と見合わせながら読んでみると、その中国語と日本語の差を深く理解できた。こうして、本を読んでいるうちに、読書の楽しさが味わえ、日本語への興味も深まってくる。
ところが、ずっと尊敬している新聞社である朝日新聞社で出版された「天声人語」など目に入ったら、うれしくてたまらなかったものだ。それらは何年前かのもので、少し時代遅れではないかと思ったが、実際に読んでみたらそれらの本からいろいろと教わることがあると思う。現在とは歴史とつながっていることは誰だって知っているはずであって、歴史を振り返っていろいろな貴重な教訓などが得られるものだ。その経験や教訓は現在ないし将来にも役に立つ。それに、「天声人語」の中に取り上げられたことは日本ないし世界各国の文化、政治、経済などの面に関わっており、それらの出来事について、中国の新聞、ニュースなどのメデイァから、多かれ少なかれ耳にしたことがある。というわけでこの図書室にある「天声人語」こそ、私にとって有難いのだ。まだ初心者である私は中国語の新聞などを読んだ上、いろいろな情報を手に入れて初めて、日本語の記事が読めるのだ。社説や解説はもちろん、ニュースの取捨選択も記事も、各新聞の性質、立場などに応じて仕組まれることは言うまでもなく、同じ問題に対して人おのおのの見方さえ違っているのではないかと思うと、「天声人語」を読んで常にいろいろ考えさせられる。
いい本を読むことは偉い人と話を交わしているようだ。人の知識の幅を広げること、人間の心を清め、育てることなどは本の役割であろう。しかし、贈られた本は中日両国の友好の架け橋にもなっているのではないかと思う。
広西師範大学日本語科 4年 巫秋梅
日本文化資料室の恩恵(日本語原文)
わが大学の図書館に日本科学協会からいただいたいろんな日本の原書を収蔵する日本文化資料室という専門館があります。四年間、日本文化資料室から得るところまことに多大でした。日本科学協会に、感謝にたえませんでした。
最初から、簡単な物語しか読めませんでしたが、ただそんなにたくさんの日本原書が本棚に並べられていることに、うれしく感じました。何か宝物が秘蔵されているような感じをしました。種類も多いです。法律、金融、経済、社会、文学作品、事典、医学など、各分野の書籍が揃います。この間、卒論を書くために、毎日、参考文献を調べに日本文化資料室で何時間も研究していました。とにかく、卒論の完成したことに、大いに手柄を立てました。
就職面接にも助かります。面接を受けるには、いろんな準備をしなければならないと思います。先輩に尋ねるとか、面接の案内書を勉強するとか、成功する就職面接の第一歩に違いません。ところが、われわれが向かうのは日系会社、あるいは日本に関連する会社です。われわれの考え方と行動も変わらなければなりません。そう思いますから、『就職の技術』、『自己分析から始める就職活動』をよく勉強しました。履歴書、自己分析、自己PR、企業研究、OB•OG訪問などについて、詳しく記録した本でした。まず、企業のホームページに載せたさまざまな企業の仕事内容や求める人物像から、企業がどのような人を募集するかよく分かります。それに、自分に合うかどうかも分かります。これは就職の前に、真っ先の考えと言われています。就職活動の重要なポイントとアドバイス、技術など勉強してから、だんだん成功な就職面接のキーポイントを捉まえるような感じがしました。
この間、無鉄砲なやり方のせい、面接で失敗したこともあります。正にこのようないい本をいただいて、本当に助かりました。日本科学協会にもう一度、お礼を申し上げたいです。
広西師範大学日本語科 4年 吴雪云
視野を広げ異文化と交わる空間(日本語原文)
寄贈して頂いた図書がわが学校の教育研究に大いに貢献していること、誠にありがとうございました。 先学期の終わりごろから、卒業論文のことを考えていました。最初は、何を書こうか、どうのように書いたらいいか、いろいろな問題を一生懸命考えて、困っていました。テーマ設定までの間に、日本文化資料室で卒業論文についての知識をたくさん習い、最後は自分の興味深いことが分かり、本当に助かりました。そして、日本文化資料室では日本の地理、歴史、社会、政治、経済、心理などの本が揃い、視野を広げられるうえに、一層日本文化の実相を把握できるようになりました。その点は日中異文化間コミュニケーション能力の養成に役に立つと思います。また、暇がある時、日本文化資料室のさまざまな童話、昔話を読むことは、私にとっては、最高な幸福だと思います。異文化の童話と昔話の絵本の中では和風を持っている水彩画、面白い動物たち、和服も素敵なので、私に新鮮な驚きを与えてくれました。このような本を読んでから、本当に文学と芸術が一体的に楽しめる空間に入るみたいです。 日本科学協会が中日友好事業に身を投じ、必ず両国国民の相互理解と友情を深めるうえで重要な役割を果すものと信じています。また、私は日中の代々の友好のために一生懸命頑張りたいです。
広西師範大学 外国語学院 教師 木佐貫 麻美
図書館を利用して(日本語原文)
広西師範大学の外国語学院日本語科で教師として働いて一年を過ぎました。大学に来た当初は、学生の熱心さや学生の日本文化への興味の大きさに驚きました。そんな学生たちに教えてもらって、立ち寄ったのが図書館の日本語図書室でした。
日本語図書室には本当にいろいろな種類の本があり、「これが、全部日本の本なのか」と感動しました。本の種類も文学、歴史、経済、芸術、などなど実に幅広いジャンルの本があり、まるで日本にいるような気分まで味わうことができます。
図書館にはちらほら学生の姿も見え、それぞれの学生が真剣に本を手に取り、読んでいます。自分の好きな作家がいて、難しくても辞書で調べながら呼んでいる学生もいれば、論文の参考になりそうな文献を探している学生、また、趣味の料理や、ファッションの本を眺めている学生もいました。
中国で日本語を勉強している学生の多くは主に教科書から日本語を学びます。他の本は手に入りにくく、もしあったとしても学生たちにとってかなり高価なものになってしまいます。そんな中で、送っていただいた図書室の本のおかげで学生たちは多くの本の中から自由に好きな本を選び、日本の本を楽しむことができます。そして、それらの本から多くのことを学んでいるようです。
これからも多くの学生が図書室の本と出合い、日本への興味、関心を広げていってくれることを願っています。そしてまた、私も微力ながら力になれるよう努力したいと思っています。
大連外国語学院 日本語学部 4年 王桂彬
私の宝庫(日本語原文)
学校の中で、一番好きなところは図書館です。そして、図書館の中で一番好きなのは五階の日文図書室です。そこはまるで数えきれない宝物が集まる宝蔵みたいで、私はそこで次から次へと宝物を見つけだし、今は精神的金持ちになったような感じがします。
この日文図書室には日文図書が25万冊あり、全館図書の100.9万冊の四分の一も占めています。分野は文化、芸術、社会、生活、科学、技術、産業、交通、通信、経済、宗教、言語、政治、人口、世帯、資源、食糧など色々な分野にわたって、百科図書室(館)とも言えるでしょう。
ここで、読みたい、知りたいことがあったら、絶対失望させられることはないのです。文学の分野というと、日本文学史の授業で知った作家の作品は全部あります。私は志賀直哉に興味があり、ここで調べたら、「和解」、「城之崎にて」、「暗夜行路」、「小僧の神様」をはじめとする彼の主な作品がちゃんと一箇所に並んでいて、彼に関わる評論、伝記、記事もたくさん出てくるのに、私はほんとうに驚いて、どれを読むのか分からなくなるぐらいです。少しずつ、彼の伝記から彼の作品、評論などを読んだら、彼に対する理解も大分深まりました。そして、卒論には志賀直哉に関わる課題を決め、必ず順調に完成できると思います。
それに、ここは、常にbig surprise を与えてくれます。前日、本棚を見回りしているうちに、不意に一行列の大きな本を見つけました。幅はA4の紙ぐらいで、厚さは一冊が四センチもあり、全部で四十冊もありました。私は目を大きくして、その中の一冊をとり、見通しました。それは「世界大百科事典」のシリーズで、アからロまでの順序で、世界のすべての事、物、所、人物、地名、国家、などなどいろいろを述べていました。これは私が初めて見た百科事典で、その時、私は、「あ!さすがに百科事典だ」と思わず言い出しました。まるで大きな宝物を発見したように、私はその中の三冊をとり、八キロもあったその三冊を抱いて、席に戻り、時間の経つのが分からなくなり、ただずっと読んでいました。そのときの喜びと言ったら、もう口では表せません。
日文図書室は私の宝庫、聖域とも言えるでしょう。私はまるで知識の海洋の中に居るように、そこで私の大学生活を過ごし、栄養を吸収し、知識がもたらしてくれた楽しみを享受して成長していくのです。
大連外国語学院 日本語学部 4年 単媛媛
美しいキャンパスに素晴らしい楽園(日本語原文)
旅順に美しいキャンパスができました。このキャンパスの中で私が一番好きなところは、図書館です。文学好きな私は、それまでずっと中国語の小説などを読んでいましたが、日本語を勉強し始めると、「今度は絶対日本の原版小説を読もう」という気持ちでいっぱいになりました。日本からいただいたたくさんの図書が、私の夢をかなえてくれました。
図書館の5階は日本語書庫の専用閲覧室で、今は私のような日本語専攻の学生にとって素晴らしい楽園になっています。授業がない時、私はいつも5階の日本語書庫に行きます。高くて大きな本棚、柔らかくて色とりどりなソファー、テーマが豊かで内容が充実している図書…このような光景は、なんだか心の深いところを清めてくれます。
本棚には、政治、法律、経済、社会、文化、言語、歴史、科学技術など幅広い分野の本が並んでいます。その中に、日本文学の授業で知った名作も沢山あります。私は何冊も借りてみました。中国語に訳されたものと日本語で書いてある原作を比べて読みながら、両国の同異点を見つけます。そうすると、原作への理解がもっと深くなるのです
今はちょうど卒業論文の準備をしているところです。資料を集めるためにはどうすればいいのかを、先輩たちに聞きました。やはり、「日本にいる友達に頼まなければならない」と言われました。しかし、この書庫で案外いろいろな資料が手に入ることに気付きました。「楽だなあ。」と自分の心で言いました。
こんなに沢山の図書を寄贈していただき心から感謝いたします。私は、日本語書庫という「窓」を通して、今まで知らなかった世界、特に日本人の世界を見ることができました。そして、これらの本を利用し、知識をもっともっと吸収し、中日両国の友好関係をより良くより深く進めるよう、努力したいと思っております。
上海外国語大学日本経済文化学院 王磊
虹のような懸け橋(日本語原文)
近頃、中日友好についてのスピーチを用意するために、毎日うちの大学の図書館に通って、高い本棚の間を行ったり来たりしました。偶然に「笹川良一記念文庫」の一部に出会いました。それは「日中交流の四半世紀」という本です。
「水を飲むときは井戸を掘った人を忘れるな」という周恩来総理の一言に始まり、1972年9月の中日国交正常化からこの36年において中日友好のために世に出てくる人物は様々な分野で力を入れたこと、そして、これからの中日交流についての考えが書かれている素晴らしい本です。特に、経済関係が大幅に発展していることも、両国の「縁源流長」の同じ文化と思想も詳しく紹介されています。これから、経済熱に文化熱を加えて、お互いの理解を促進できるし、政治冷も解かすかもしれないと思います。
日本語を勉強し始めてから、気を静めてゆっくりと中日関係についての本を読むのは初めてです。高校生の時、進学戦争で毎日、いろいろの練習で忙しかったです。いい成績のためだけの勉強でした。なぜ日本語を勉強するかと考えたことは一度もありませんでした。その本を読んで本当にいい勉強になりました。日本語専攻としての私は、いったいなにをするべきかと考えざるを得ません。
日本へ二回行ったことがある父は、日本では多くの優しい日本人にいっぱい出会ったし、いろいろ助けをいただいたし、本当に暖かい思い出だと思っています。その一方で、中国の新聞に時々小泉前首相が靖国神社に参拝したような両国の感情を傷つけることも載っています。隣の日本、いったいどんな姿をしているかとずっと知りたいと思っています。
いろいろ考えた結果、ぜひ日本へ一度だけも行こうと思っています。自分の目で日本の姿を見、自分の心で日本の国を感じ、そのあと、笹川先生のように、自分の力で中日友好の懸け橋になるためにもっともっと頑張りたいと思っています。 笹川先生のおかげで、この本は大変役に立ちました。スピーチの方も順調に終わりました。それに、笹川陽平先生の「皆さんには親日家ではなく知日家になって欲しい」という言葉を聞いたこともあります。とても感心しました。笹川先生は、虹のような橋に身を挺してわれわれ若者をつれて中日の平和と発展へむかって行きます。心からお礼を申し上げたく筆をとりました。誠にありがとうございました。
東北林業大学 外国語学院 日本語科 3年 武蘭
日本からの祝福(日本語原文)
東北林業大学の学生として、私は大きな幸せを感じております。日本の皆様はわが校に沢山の本や資料などを寄贈してくださいました。このニュースを聞いて、私たちは驚きながら嬉しいです。また、日本語科の学生として、沢山の有意義な本を閲覧する機会に恵まれるということで、誠に嬉しいです。かくも多くの本や資料などは、私たちの勉強に役立っています。
寄贈された本は、相当多くの本で、様々な分野に及んでいます。日本語や日本文化どころか、日本の経済や日本国民の生活にも及んでいます。また、日本の辞書もいっぱいで、とても便利です。そして、毎日、もっと豊かな知識を得ることができて、日本や日本語に関することを習うこともできます。私はこれらの本を読んでから、一番多く感じたのは、勉強がしやすくなったということです。
日本文化は面白くて、歌舞伎や相撲などは有名で、ある本から具体的に知ることができます。日本の科学と経済の発展は速くて、ある発明は世界に大きな影響を与えて、人類に福音を与えています。日本国民は勤勉かつ勇敢で、都市は綺麗で、清潔だということがわかりました。農村は山紫水明で、景色が絵のようだということを読んで、私も見に行きたいと思いました。
私たちは日本についてのことをもっと多く勉強していくつもりです。大変勉強になっています。そのほか、日本からの寄贈図書は、私たち日本語科の学生に役に立つばかりでなく、他の専攻の学生にも大きな影響を与えています。独学で日本語を勉強している人とか、漫画に興味がある人とかなどです。もともと、図書館には日本語の本が少なかったので、図書館の管理と図書の豊富にも有効です。私たちはしっかりとこの機会を利用して、本をきちんと使おうと思っています。これによって、自分の日本語のレベルを上げることもできると思います。これからもよく勉強して、日本の皆さまの期待に応えたいと思います。 日本科学協会の行動にはとても感激しました。誠にありがとうございました。
上海交通大学図書館 陳幼華
まごころの残り香(中国語原文)
― 「教育・研究図書有効活用プロジェクト」について感じたこと―
上海交通大学包玉剛図書館を過ぎて西館から東三館へひっそりとした曲がり道を行くと、広々として明るい閲覧室が目の前にぱっと広がります。中ではいつも沢山の学生たちが興味深そうに本をめくり、窓の外の枝垂れ柳が落とす群青の影もまたゆったりと静かな読書の雰囲気を増してくれます。何故か私は、この閲覧室のくねくねした道が突然開ける感じがとても気に入っています。ひっそりとして、でも生き生きとした雰囲気には、入り込んで探求したくなるような衝動を感じるのです。この日本科学協会寄贈図書閲覧室を初めにここに置いた人は、さぞや独自の境地を持っている人なのでしょう。
中日関係の見通しは紆余曲折の限りですが、結局のところ近しく頼り合う友好的な関係があって、日本民族は研究心旺盛なのだと思います。さもなければ、ここまではっきりとした象徴で表現されたりはしないでしょう。
日本科学協会が1999年7月に「教育・研究図書 有効活用プロジェクト」を開始して以来、上海交通大学は、国内でその寄贈を最初に受けた10大学の一つです。現在までこのプロジェクトは8年間続いています。8年間で、中国の24大学がこのプロジェクトにより寄贈を受ける対象となりました。そして、上海交通大学図書館は協会から67,227冊の図書の寄贈を受けています。これらの本は、日本科学協会が日本の関連大学、企業、研究機関、出版社、その他の団体や個人から集めたものです。寄贈図書の多くは人文社会科学関係で、自然科学に関する書籍も一部あります。言語は多くが日本語ですが、英語やドイツ語の図書も少しはあります。これらの本がやってきたことで、上海交通大学の教員や学生の閲覧する視野は大いに広がりました。外国語の原書というチャネルから、日本の社会、歴史、文化および自然科学分野の進展を直接理解できるようになったのです。2001年から、このプロジェクトに「中国大学図書館担当者訪日交流」事業が加わりました。それにより、上海交通大学図書館では既に4人が協会から招聘いただき、日本の図書館、歴史および文化施設の視察をしています。
中国と日本は民族向上心に富んだ東洋の国で、親密な近隣関係と深い歴史文化のつながりを持っています。また同時に、鮮明な特徴も持っています。一方は発展中の大国であり、一方は発達した資本主義国です。地理上の位置、歴史文化の源を問わず、それぞれの世界の政治・経済における地位からしても、中国と日本における各分野各層の交流や協力は、いずれもアジアそして世界の平和と発展を促すものです。「教育・研究図書有効活用プロジェクト」は、交流、理解及び協力などのテーマに基づき推進されている事業であり、成された努力です。中日の文献資源および社会文化の交流促進、そして、中日の理解と友好に関する意義は言うまでもありません。さらに重要なことは、「平和と発展」というテーマのもと、双方が誠実さと信頼をもって、物や労力を惜しまず、より豊かな形でこの活動を自発的且つ長期的に展開していき、中日両国民の様々な層での長期的な理解と融合を真に促進することです。
薔薇を人に贈った手には、その残り香が長い間漂っているものです。友好と理解から生まれたこの薔薇の香りが中日の間に満ちて、長く長く薄れませんように!
吉林大学珠海学院 図書館 館員 黄松花
心からありがとう(日本語原文)
私は吉林大学珠海学院の図書館員で、主に日本語図書の管理を行っています。仕事を通じて日本の歴史、文化、経済、民俗等について知る事ができました。日本からの寄贈図書は中国の教育発展のため、日中両国の文化交流のため、もっと多くの中国の大学生が日本を知るために多大な貢献をしてきました。日本のみなさまのお蔭で、数多くの日本原書を所蔵する事ができました。
わが大学は、2007年9月に日本語学科を設立しました。贈与していただいた図書は日本語学科の学生だけでなく、他の専攻の学生にとっても、学習や言語、日本を知るのに重要な役割を果たして居ります。この場を借りて、全体読者一同を代表し、心より感謝の意を現わします。
牡丹江医学院図書館 採用編成部 職員 邵麗麗
尊敬する日本科学協会の皆様へ(中国語原文)
私は牡丹江医学院図書館の一般職員です。始めに、貴協会の寄贈図書に対するフィードバックの機会をいただけたことに深く感謝いたします。
中日友好の歴史は長く、古くから一衣帯水の親しい隣国です。大学図書館の交流事業として貴協会からいただいた目録を見て、貴国の蔵書の豊富さ、学術や文化教育の先進性を感じました。大学の教員、学生、研究者が科学技術の知識を学習・探求、そして把握するにあたり、大学図書館の洋書閲覧室には独特で重要な働きがあります。貴協会の寄贈図書は多くの学科および領域に亘っており、医学部の教員や学生が閲覧や研究の視野を広げるのに大変役立っております。我が大学の教育専門分野と科学研究の方向が限られているため、貴協会が提示してくれた書籍の一部を選ぶことができなかったことは、本当に残念です。
頂いた図書は我が校の教員、学生および研究人員にとても歓迎されております。多くの教員や学生はこれら原書を通して読む力を高められるだけでなく、より深く貴国の風土や人情を理解することができます。これらの図書は我が校の教育、科学研究活動にプラスの作用を発揮します。
寄贈いただいた図書をより読者が利用しやすいものにするため、当館は学内ネットで寄贈図書のお薦め情報や新着情報などを流しています。図書館のwebサイト上に新着図書リストを随時公開し、読者が閲覧したり新着図書情報を理解したりしやすくしています。読者が見やすくすることで貸出率を高めるため、当館では先日、寄贈図書に対して図書目録を作成して書庫を作り、分類配本を行ないました。こうした活動により寄贈いただいた図書がよりよく力を発揮できると信じております。
今後の業務において私たちは全力を尽くし、様々なサービス形式を取り入れて読者のニーズに応えることで、寄贈図書の利用率を高めたいと思います。医学分野の書籍が多く戴けることを希望いたします。日本の医学水準は世界的に影響力があり、我が校の教員、学生は最前線の医学知識を渇望しております。より多くの医学書籍が戴けると幸甚です。
最後に改めて、ご寄贈に感謝を申し上げます。我が校にいらして次の交流活動を展開されることを歓迎します。私たちの協力事業が友好的な雰囲気で継続されていくことを希望しております。
大連理工大学図書館 館員 李東梅
偉大な事業である図書寄贈(日本語原文)
「教育・研究図書有効活用プロジェクト」の実施に恵まれて、私たちの図書館は2006年から寄贈図書を受け始め、今までもう2万冊を越えた。贈与されたのは、政治・経済・歴史・教育・文化・自然科学などたくさんの分野に亘る貴重な図書ばかりで、これらにより、数量にも,内容にも、私たちの図書館の日本原書の不足に対してはきわめて補充してくださった。このことは、私たちの図書館の蔵書が豊富になされたにもかかわらず、図書館の活力にもアップされています。
いただいた一冊一冊の原書には、日本の皆様、図書寄贈事業を実施するスタッフの皆様の多大な苦労が含まれていることを知った。ここで、この場を借りて、私は個人を代表して、図書を提供してくださった日本の出版社、企業、大学、研究機関、一般の方々に深く感謝したい。また、「一冊から始まる国際交流」という理念でこの事業を組織している日本科学協会の皆様と、この事業を実施しているスタッフの皆様に尊敬の意を表したいと思う。
寄贈図書が有効に利用されることにより、中国の大学生や研究者たちがもっと広い視角から日本を知り、日本の文化・風俗・礼儀を深く理解し、さらに日本の科学者の科学研究に対する厳密な科学態度を学ぶことができるだろう。このことは、日中両国の友好親善の強化ないし国際交流の促進には、計り知れぬ積極的な働きになるのだろう。ゆえに、図書寄贈は偉大な事業だと確信する。喜びたいのは、日本科学協会の依頼を受けて、2007年に大連理工大学図書館は中国の北部地域における受贈図書の中継大学となった。この偉大な事業に参与することができて、私たちの大学においては非常に光栄なことだと思っている。図書館の一員として、私は責任感と使命感を強く感じている。得がたい日本原書をいかに有効活用させるかということが、今後私たち図書館員が考えるべき課題だと思っている。
◆今後の希望
大連理工大学は、理工科を柱に経済、管理、文科、法律など多くの学科がつり合うように発展する大学であり、その中で力学、水利工学、化学工学及び技術、管理化学及び工学は国家の重点学科である。ほかに計算数学、機械製造、港海岸及び近海工学、自動化、船舶及び海洋結構の設計製造など特色専門科もある。日本は自然科学と工学技術の領域において、世界でも進んでいる地位にある。それゆえ、有名な学者の書かれた著作と教材はたくさんあるに違いない。私たちの大学の学生と教師たちもこれらの著作を目に見えてほしい。とくに理工科分野の専門著作、教材、参考書を見たい。日本語を習得する同時に進んでいる科学研究の成果も学ぶことができる。
最後に、図書寄贈事業がさらに輝きを増すよう期待したい。中日の文化交流がさらに繁栄することを祈ります。
上海交通大学図書館
上海交通大学における寄贈図書の活用状況(中国語原文)
1.日本語図書の活用 ・日本科学協会から寄贈を受けた図書については、2007年に上海交通大学の閔行キャンパスに新設された閲覧室に入庫し、専属の職員が分野別に整理・分類した。寄贈図書のうち、現在、開架されている図書・雑誌は10,000冊余りである。これらは、通信、機械、環境、図書情報、言語、文学(小説、エッセイ)、哲学等に分類されている。
・日本語学部には学生が110名、大学院生と教師がそれぞれ20名在籍している。日本語学部の呉宝華学部長は「これらの日本語図書は斬新な内容で、日本語学科の教育範囲を広範にカバーするものである。大学生の副読本として、また、大学院生や教師の教育研究の参考図書として大いに役立っている。」と話し、寄贈図書を高く評価している。
2. 利用者からの声
・日本語図書は系統的なリスト作成をせずに書棚に配架されていたため、利用者にとって、欲しい本を探すのは容易ではなかった。今後は、これらの図書を系統的に分類のうえ配架し、利用者の便宜を図って欲しい。
・上海交通大学の日本語専攻では、日本語の基本的な各スキルを十分にマスターするだけでなく、日本の文化、社会・経済など日本に関する総合的な知識を有するオールラウンドの日本語人材を養成することを目標としているので、日本の言語、文化(特に新刊の現代文学作品)、社会、政治、経済など、図書の種類を更に豊かにし、日本語専攻の学生のみならず他の専攻の利用者のニーズに応えて欲しい。
江南大学外国語学院日本語科 3年1組 陳婷婷
「日本語」という本からもらった感動と楽しみ(日本語原文)
日本語に興味を持ち始めたのは「金色夜叉」という有名な小説を読んでからのことです。中国語の訳本を見ただけでは物足りない感じがして、早く日本語の原作を読みたかったので、日本語を自分の専攻にしました。日本語をずっと興味深く勉強していたが、なんとなく規則性を欠いた言語だと思っていました。音読み、訓読み、支離滅裂な文法などはもちろん、敬語体系、男女による言葉の違いもかなり難しいのです。日本のテレビドラマを見ていたとき、日本人のしゃべりスピードは早口言葉のように早く、そして標準語と関西弁もはっきり異なるので、場合によっては私にしてもわずらわしいと思います。日本と中国とは一衣帯水の隣国なので、日本語の勉強もきっと楽だと思いましたが、やはり私の考え方はまだ甘いです。
もし、大学院の入試準備をしなかったら、私はわざわざ図書館へ言語学の本を借りに行くこともしません。本を借りたとしても、三日間後に、不承不承にこの「日本語」という本を開きました。著者の金田一春彦は有名な言語学家なので、きっと高踏的なことばかり言ってわかりにくいに違いないと思います。しかし、こんなにユーモアに富んだ本とは夢にも思いませんでした。素朴なスタイルなのに、何か人をひきつける魅力に溢れています。金田一氏は歴史、社会、文学など、さまざまな分野の知識にもとづいて、発音、語彙、表記法、文法などあらゆる角度から光を当て、日本語の特徴、おもしろさを具体的に解明してくれました。驚いたことに、私はこのような学術専門書を小説として、寸暇を惜しんでひたすら読んでいます。作者が引用した笑い話を読んだとき、思わずふき出したこともあります。その簡潔で生き生きした言葉遣いから見ると、たぶん作者の本意は、できるだけ平易流暢な用語を用いて、読者としての私に日本語についての物語を述べて、私の言語学への趣味を引くことでしょう。もしそれが作者の目的なら、彼は見事に成功しました。
「日本語」の中で、日本語の種種相を詳しく説明してくれました。特に、今まで私を困らせた男女用語の問題について、金田一氏はこんな例を上げました。「外国人は会話の場面を描写しようとするとき、必ず「……とXXXが言った。」と断り書きをつけなければならない。そうしないと、話し手が誰だかわからない。日本語ならば、一切断り書きがいらない。」ちょっと考えてみるとそのとおりです。なぜなら、日本語の男女用語の違いを手がかりとして、言葉遣いからして話し手が誰かがわかります。それで、私はたちまち「金色夜叉」を開き、会話の部分を読んで、話し手の性別を推断してみました。時には、年恰好や身分まで想像がつきました。そういう「言葉遊び」に夢中になる私は、まるで地図を持って宝を探している探検者みたいです。「こういった言葉遣いの変異、言葉の違いというものは、日本語なればこそできる表現である、ということになる。これは日本語の特技であろう。」と、金田一春彦は言いました。なるほど。私は言語学の角度から、日本文学作品を読み重ねると、日本語の長所を身にしみてわかります。
金田一春彦の「日本語」は、日本語のすばらしさを浮き彫りにし、私の言語学勉強には窓を開けました。以前の私は、いかに日本語を上手に操るだけに頭を絞って、もっとも大切なことを忘れてしまいました。それは、日本語をつくづくと理解するべきことなのです。金田一春彦は「日本の文字は、世界で類のない難しさなのに、日本人が文字に親しんでいる。」と言いました。実は、日本人のみならず、日本語愛好者の私も同じです。私の日本語のレベルは時間が経つにつれて、たぶん高くなっていくかもしれないが、この本が与えてくれた最初の感動と楽しみは永遠に私の胸に刻んでいます。
江南大学外国語学院日本語科 3年2組 唐蕙潔
『三四郎』を読んで(日本語原文)
夏目漱石の名に憧れ、『夏目漱石全集』の中で、『三四郎』という作品を選んで、読み始めました。
正直に言えば、初めて読んでいる時、なんとなく退屈した感じがしました。東京の大学へ行く主人公の三四郎は、汽車の中で、いろいろな人と出会ったり、面白くないことを聞いたりしたこと。知らない田舎の女と、同じ部屋で一晩を泊まったこと。どうして関係ない人物ばかりを書いたのと思い、わけが分かりませんでした。里見美弥子の登場につれて、あの名も知らない女の言葉が利きました。池のほとりに、微妙な初対面。この惨めなラブストーリーもだんだん始まりました。
二回目の出会いは野々宮良子の病室の前で、良子の病室を聞かされた時、野々宮が買った身につけるものをつけている美弥子を見ると、三四郎はなんとなく気にしました。
やっと彼女の名前を得たのは与次郎の引越しのおかげで、手伝ってほしいって言ってもらったときでした。
美弥子に告白されたとは、三四郎自分も思わなかったんです。
stray sheepだって。
デスカラ、授業中、メモで全部はstray sheepでした。
簡単で、素朴な恋だと思いましたけれども、結局、美弥子は格好よくて、まるで関係ない人と結婚しました。
三四郎の恋は、ここでおかしい結果で終わりました。
江南大学外国語学院日本語科 3年2組 趙仲
同情?批判? ―『鼻』を読んで ―(日本語原文)
芥川龍之介の『鼻』を読んだのは今年の三月の始めだった。もとは感想なんて出なかったが、三回も読んだあと、突然物思いに沈んでいた。
内供の鼻は変な物だったが、鼻そのものはそんなに大変ではなかった。まともに大変なのは気持ちや考えだった。自尊心が傷付けられたことは確かに大変だろう。そこに書いた内供の心理的な苦痛は読者の同情を引き起こした。同情と言うのは、他人の境遇は自分のある経験や考えに似ているからだ。では、内供の苦痛はきっとどこか私たちの心理に似ているのだろう。
もしかしたら、自分の欠点は「内供の鼻」と言ってもいいだろう。「内供の鼻」があると、他人に注意させられたくないことはもちろんだ。他人の気付くことを避けなければ、「私だけでなく、ほかにこのような人もいたら、よっかた。」という思いが自然に出るだろう。
実は、「内供の鼻」は誰でも持っている。だから、醜くて、長い鼻がある内供の苦しさにはだれでも理解し、同情を寄せるだろう。
一方、同情のほかに、批判の意味も強く含んでいると思う。悩んでいたことは鼻の長さとしたら、どうして鼻が短くなってから、さらに辛くなったか。それに、元の長さに戻った時にはほっとしたか。やっぱり、一番悩んでいたのは他人の考えなのだ。では、どうして他人の考えがそんなに気になったか。生きているというものは、自分なりの生活をして、自分の好みにしたがって過ごすべきではないか。虚栄のあまり、生活は大変になることはもちろんだ。
それに、ほかの人はどうして内供の鼻に笑うか。もし、きちんと考えたら、自分も「内供の鼻」を持っていると、すぐ気付くようになる。
いろいろ考えた後、だんだん作者の意図をわかってきた。なるほど、まず読者の同情を呼んで、人々の注意を引きつけた。それに、他人の思いがずいぶん気になって、自分を失うことを批判した。
同情か?批判か?それとも両方ともあるか?いずれにしても、内供は他人の目で自分を見ることさえあれば、その苦しさは消え去らない。私たちもそうだ。
江南大学外国語学院日本語科 3年2組 陸文君
『氷点』を読んで(日本語原文)
『氷点』は私が初めて読んだ日本語の小説です。作者三浦绫子の人物心理について細やかな描写は私に日本語の言語の魅力を味わえました。
主人公陽子は何が恨みか知らないようで、心の中でただ『愛』があるだけの女の子です。私はこんな陽子か大好きです。最初は陽子は完璧すぎて、真の感覚を欠けることを疑いましたが、後はわかりました。陽子の生命の最初の7年に、母の暖かい愛を享受したことがあります。それに、啓造は彼女に無愛想でしたが、本当に彼女に傷つけることがありませんでした。傷つけられない心は、愛を伝播することができます。だから、陽子は自分が両親の生みの娘じゃないことを知った後で、相変わらず義父の無愛想と養母の無情をとがめませんでした。彼女の善良と無邪気は私を深く感動させました。
私はこういう話を聞いたことがあります。『人生の一番の美徳は寛容です。』その時、私はその話の意味をよく理解しませんでしたが、今は深く理解しました。実は、もし、啓造と夏枝も『寛容』がわかれば、そんなに多い悲劇が出ませんでした。彼らは他人を傷つけると同時に、自分も傷つけられました。現実の生活の中で、私たちはいつも他人が自分を理解しないことを怨みます。でも、私たち自分は他人をどのぐらい理解しますか。他人の過失を許すし、恩に感ずる心を持っていて、世界に対するのは私が陽子から勉強したものです。
しかし、陽子は頑強に見えましたが、内心がとても脆いです。『犯人の娘』という非難は彼女のいつもの朗らかを奪いました。彼女はついに死亡を選びました。小説の終わりに、陽子は犯人の娘じゃないことが実証されました。こんな結局を見る時、私の気持ちはとても複雑でした。陽子は不幸です。一つ一つの誤解で、彼女は自分の命を失いました。しかし、陽子は、また幸運です。恨みを込んでいる家庭に生活しても、彼女は相変わらず、心の中で、愛を込めることができました。
この小説は悲劇に終わりますが、その中で、愛と希望を見ることができます。それは『氷点』の一番の魅力だと思います。
江南大学外国語学院日本語科 3年2組 蒋黎莉
「伊豆の踊り子」の感想(日本語原文)
川端康成という有名な作家の小説「伊豆の踊り子」を読んで、深く感動されました。 不遇な人生を歩み、心がすさんでいた若い学生が旅の途中で、ある踊り子に出会い、その後をくっついて周り、踊り子一行と行動をともにすることになりました。その後も、やはり踊り子一行と行動をともにしていたけれど、ついには別れの時がきました。だけど、踊り子たちと一緒に過ごしてきたことで、なんだか、心がスガスガしくなりました。という話です。 私に一番深い印象を与えたところはあの踊り子のきれいさです。 “踊り子は十七くらいに見えた。私にはわからない古風の不思議な形に大きく髪を結っていた。それが卵形のりりしい顔を非常に小さく見せながらも、美しく調和していた。 髪を豊かに誇張して描いた、 稗史的な娘の絵姿のような感じだった.” 人々が普通思うのと違って, とても清らかで美しい踊り子でした。だからこそ、 その踊り子とその話が大好きのです。
江南大学外国語学院日本語科 3年2組 李丽洁
『伊豆の踊子』を読んで(日本語原文)
初めて『伊豆の踊子』を読んだ時、すぐその美しいスト—リに深く感動された。踊り子の笑顔とか、少年の涙とか、あの天城峠の雨天のことが時々頭にうかんでいた。
すべてのスト—リは旅行中起こったのだ。
孤独で敏感な少年と、下駄を履き、太鼓をさげ、生きるため踊り子をしている少女、偶然の出会ったために、深い友情を築いた。または、淡い愛情が二人の間に起こった。
少年は孤児だから、子供のときから、人々の同情と好意を本能的に弾いた。二十歳の彼は、自分の性質が孤児根性でゆがんでいると厳しい反省を重ね、その息苦しい憂鬱に堪えきれないで、伊豆への旅に出ていったのだ。
少年は、伊豆への旅の途中、いろいろな人に出会った。
長年中風で全身が不随になってしまった老人、流行性感冒で父母を失った三人の子供、せがれも嫁もなくなったおばあさん、落ちぶれてしまった栄吉、二度目の子供を早産してしまった千代子、故郷を離れて踊り子をしていた薫とか、この人たちは、全部少年と同じ哀れな人たちだった。
しかし、十四歳の踊り子—薫は、まるで光のようです。彼は少年に希望を与えるとともに、私を感動させた。卵型のりりしい顔、豊かな黒い髪、美しく光る黒目がちの大きい目、薫はきれい心を持っていて、子供のように単純だし、その悲しい世界の中にピカピカ光っている希望のようだった。
旅芸人たちとの旅中、少年は彼らとすっかり親しくなった。好奇心もなく、軽蔑も含まない、みんなはいい友達になってきた。
別れた時、踊子は一言も言わなかった。唇をきっと閉じたまま一方を見つめていた。ずっと遠ざかってから、踊り子が白いものを振り始めた。
こうなると、少年は涙がぽろぽろこぼれた。泣いているのを見られても平気だった。そのあとにはなにも残らないような甘い快さだった。
美しいストリーだった。偶然の出会い、淡い愛情、何より私の胸は打たれた。
江南大学外国語学院日本語科 3年3組 阙琰玥
「童話を楽しもう」を読んで(日本語原文)
これは、私が日本語の原版の本を読んだ初めてのことだった。私は大学生だけど、日本語がまだ易しいものしか分からないので、私は「童話を楽しもう」という本を選んだ。この本の印刷も質も上品でわくわくと気持ちを持ち、本を開けた。
実は本の内容が思いどおり簡単ではない。童話が子供さえ読めるのでやさしいものだと思いきや、勘違いしていた。この本は童話が少しあるとはいえ、大部分は童話や童話の書き方を紹介することだ。童話も私が子供のとき読んだ中国のものとは違う。でも、同じのは童話そのものの美しさが失われないことだ。数が少なくても、童話を楽しむことができる。子供時の純真な心に戻るみたいだ。心がいっぱいで満足した。
しかも、この本によって童話をどう書きけばいいのかがよくわかった。中国では、「3尺にも達する厚い氷は、一日の寒さでできたものではない。」ということわざがある。文章を書くのも同じだ。いい童話を書くには、作者はいろいろな準備をするし、たくさんの思いを出すし、とても大変な仕事だ。こんなことを分かってから、作品をもっと大切にしなければならないと思った。私たちが読めた文字はみんな作者から首をひねって創造したものだ。この苦労を込める文章は真面目に読むべきだと思っている。
江南大学外国語学院日本語科 3年2組 顧丹萍
エリザベートの魅力を引き立てる美しい日本語(日本語原文)
最近、「皇妃エリザベート」と言う本を読みました。この本は、日本人に訳されたものです。 このエリザベートと言う人のことが書かれています。オーストリアの皇妃として、エリザベートは、皇帝フランツヨーゼフと一緒に楽しい日々も悲しい日々も送りました。そして国に意義が重大なことをやりました。通訳者はきれいな日本語で訳しました。ただ、地名と人の名前はカタカネで書かれて、覚えにくいです。 読み終るまでちょっと時間がかかります。それでも、なかなかいい文章だと思います。エリザベートの明るさや可愛さが生き生きと述べられていました。ますますこの女性の魅力に注目を引き付けられました。
江南大学外国語学院日本語科 4年2組 李莉
日本の現状が詳しくわかる日本語図書(日本語原文)
この前も日本の家庭内暴力についての本をいろいろしらべていましたが、みんな中国語の本のせいか、詳しい状況はぜんぜん見つからなかったです。ためしに三階の外国語図書室にいってみると、家庭内暴力に関する本はたくさん載っています。そして、三冊を借りて読み込んでいました。とっても素晴らしい本です。家庭内暴力の原因、現状、特徴、そして対策、想像以上詳しく説明しています。
それに、「子育ての歴史」という本を読んだ後、子育てが一生の仕事ということがはっきり分かりました。子育てにおいては、なによりも子供の眼の高さでものを考えることが大切だと思います。これらの本をもってとってもいい勉強になりました。今後、これらの日本語の本をもっと利用するように、もっと多くの同級生に伝えるようにしています。こんな豊か学校に恵まれて本当によかったと思います。O(∩_∩)o
江南大学外国語学院日本語科 1年1組 孫梅丰
易しい日本語図書から始めたい(日本語原文)
私は江南大学日本語科の一年生で、孫と申します。学校の図書館の三階にはいろいろの寄贈の日本図書があります。内容はとても全面です。まず、どうも有り難うございました。日本語を勉強したばかりですから、知識はあまり豊かではありません。それで、夏目漱石と川端康成など日本で有名な小説は全然わかりません。日本語を勉強したばかりの学生として、やさしい話の本を読めれば面白いです。以上です、もう一度ありがとうございます。
江南大学外国語学院日本語科 4年3組 姚寧
日本の社会・文化に関する最新情報が欲しい(日本語原文)
日本の皆様がわれわれにこんなに多くの日本語原文本を寄付してくれましたことに、心より感謝を申し上げます。おかげさまで、日本をいっそう理解します。日本軍事、政治、文化、社会などいろいろ教えてくれました。われわれの勉強とか就職とか論文などに対して大変役立ちました。特に論文を書く時に、多くの資料と参考文献を提供してくれました。本当に役立つことです。
ところが、日本文化と社会にほかより興味を持っていますから、もっと多くを寄付してほしいです。そして、できるだけ最新出版の雑誌も新聞も贈ってくれますでしょうか。このことをしましたら誠にありがとうございます。
江南大学外国語学院日本語科 蔡銀銀
日本の皆様へ(日本語原文)
私は日本語科の学生です。今、江南大学で勉強しています。時にはキャンパスのシンボルの新しい図書館へ行って、貴方たちが贈ってくださった日本の原著を拝見いたしまして、とてもいい勉強になります。
その感謝の気持ちを持って、皆さんの苦心や期待を応えるためにさらにまじめに勉強して日本語のレベルを高くしようと思います。そうしたら、将来の中日交流や友好のために、微力しながらもできるだけ自分の力を尽くして貢献したいと思います。
末筆ながら、みなさんのご健康を願ってやまないです
江南大学外国語学院日本語科 4年1組 陳暁慶
日本語を通して欧米を学ぶ(日本語原文)
私は、江南大学の日本語学科の学生です。
日本語の本にはとても興味があります。最近、私は「英単語パワーブック」という本を読みました。この本の例文は新聞、雑誌、テレビニュースなどからの原文引用ですので、たくさんの分野の知識を習いました。とくに、欧米のことを日本語で理解することは、私にとっては難しいですが、もっと努力して、必ず英語でも日本語でも上手になると思います。
この本は本当に助かりました。日本の方からそんなにたくさんの本をいただいて、私たちは心から感謝いたします。私たちはそのすばらしい本を利用して、もっとがんばります。
江南大学外国語学院日本語科 4年2組 陳建鋒
卒業論文に役立った寄贈図書(日本語原文)
先日、日本科学協会からうちの学校の図書館にもらった本を数冊借りました。その本を読んで、日本人の国民性の一つとして定着された集団意識をよく理解できるようになりました。すごくいい本だと思います。集団意識の生まれとか、表現とか、特徴及び影響などいろいろな面で詳しく説明してくれました。そして、その本は私の卒業論文に役立って、卒業論文がうまく進めることになりました。本当にいい勉強になりました。ここで誠に感謝します。
江南大学外国語学院日本語科 3年2組 潘夏芳
「switch」という雑誌について(日本語原文)
「switch」という雑誌を見て、それがとてもいい雑誌だと思います。意味深い書名とそのカバーが原因で一目ですぐ好きになりました。その「switch」という書名のように人生の道ではよくいろんな選択があります。例えば学生時代は学校の選び、卒業してからは仕事の選び、結婚相手選び、そして、その選択肢もほとんど二つ以上あります。これから続く自分の道のどっちを選ぶのか。その問題はたぶん人生そのものでしょう。
江南大学外国語学院日本語科 4年1組 葉青
日本の学歴偏重について(日本語原文)
私は卒業論文をきっかけに、寄贈の日本図書を借りた。卒業論文のテーマは学暦偏重についてという文章です。借りた本故に、私は多くの知識を獲得しました。日本は確かに学歴偏重的な国です。日本の高校には、競争に勝利を収めるための成績至上主義というものを、子供自身にはもちろん、学校の内部にすら醸し出します。社会には、高学暦者は、低学暦者に比べして、相対的に知識や技能において高度であり、したがって、社会に優遇され、経済的にも身分的にも、下層から上層へと移動する機会に惠まれることになります。