※原文が日本語の声は、原文を尊重して手を加えず掲載しました。
原文が中国語の声は、原文に忠実に和訳して掲載しました。
日本語原文
広西師範大学外国語学院日本語学科4年 張鳴
いまどこの国も活字離れの現状があるかもしれないですが、私はわりと本を読むことが好きです。小学生の頃、探偵マンガ「名探偵コナン」が気に入り、日本の推理小説を読み始めました。あれから、ずっと日本の文化に惹かれていて、それがきっかけで日本語を学び始めました。大学に入って、日本語を専攻することにして、私は宿題が完成してから、よく図書館に行き、日本文学の精髄を味わいたくて、精一杯努力してきました。そして、日本語力がだんだん進んでいくにつれて、日本語で書いている本を求めるようになりました。しかし、中国の本屋で置かれる日本図書は殆ど中国語に翻訳された本で、ネットから買えるけど、まだ学生である私にとって値段が高くてなかなか読みたい本を全部手に入れることができませんでした。
その時、友達から「日本語閲覧室に行ったらどう?あそこは日本語原文の本がたくさんあるよ」と勧められました。授業終わるとすぐわくわくして日本語閲覧室へ足を運びました。きちんとしている部屋で、夏目漱石をはじめ、川端康成、幸田露伴、森鴎外、谷崎潤一郎、三島由紀夫……文豪たちによって書かれた本がたくさんあります。日本の歴史や文化、言語や社会、法律に関わる本、日本の高校試験の参考書まで数え切れないほど、あそこで私を待っているように、静かに置かれています。正直に言うと、感動極まりませんでした。
万冊もある蔵書から必要な本を探すのも大変なことですが、日本語閲覧室の先生から親切に指導していただきました。蔵書の分類や検索の仕方を一から教えて下さることにも感心しました。おかげさまで、念願の宮部みゆきの「パーフェクト・ブルー」、松本清張の「霧の旗」、森村誠一の「人間の証明」など、ずっと昔から読みたい小説を読むことができました。
異文化を受け入れることは、同時に自分の国の文化を再発見することでもあると思います。そうしてこそ、文化交流は初めて相互の良さを学び合えるものとなると信じています。日本科学協会、日本財団が、そう言う文化交流の橋を作ってくださることに、再びお礼の言葉を申し上げます。
今私は、立命館大学で交換留学しております。貴重なこの機会に、より多くのことを経験し、日本の文化をより深く理解して、帰国したあとは、日本の優れた文化を中国に紹介していきたいと思っています。大きなことはできないかもしれませんが、貴会のように、日中両国のますますの友好と発展のために、微力ながら努力を惜しまず続けていく所存でございます。
広西師範大学外国語学院日本語学科4年 文晶
小学校の時から、本に興味を持ちました。そのため、時間さえあれば、いつも図書館に行くことにしました。本棚の間で一つ一つの本を指で選ぶほどの嬉しさと、本の香りに浸かるような安心感が私は一番好きでした。
そして、その習慣は大学まで続いていました。学校でも日本語の図書室があることを聞いて、わくわくして行ってみました。しかし、そんなに多くの本があるとは思わなかったのです。図書館を迷宮に例えるなら大げさかもしれませんが、私は一部の書名を見るにも一時間以上かかりました。デザインも独特で、中身も簡素で、「日本の本はこんなにきれいだったのか」とその時初めて知りました。図書館に名作家の小説や文化社会に関する本が多く、日本語を研究する刊行本もいかにも豊富で、私の興味のある芸術関係の図書もたくさん並んでいます。その後、私もすこしずつ小説を読み始めました。本の中の「笹川良一記念文庫」印鑑でご寄贈くださった本と知りました。感謝の気持ちを持ちつつ、私は借りた本をもっと大切にしました。
今年四月笹川平和財団主催の赴日研修項目に選ばれ、本当に幸運で感謝の気持ちでいっぱいです。今思えば図書室の本と結びついてきて、その縁のおかげではないかと私は思います。思いを他人に伝えた時、優しくされた時、笑顔をもらった時など得られた勇気は私の一生かけがえのない思い出です。この項目から学んだものは伝え切れませんが、自分の目で日本を発見することは私にとって最大の収穫だと思います。今後私は自分を磨いて、このような機会を掴み、両国間の友好関係の発展に力を注ぐことを期待しています。
このような日本図書寄贈の活動が中国で、特に西部地域で広げられるなら幸いなことと思います。最後にここで改めて、ご寄贈いただいた日本のみなさんに衷心な感謝を申し上げます。
広西師範大学外国語学院 修士課程2年 黄暁星
私は広西師範大学の大学院生です。専門は日本語翻訳で、本学の日本語図書室へよく行きました。この習慣は大学1年の時から今までずっと続いていました。
初心者の時、一番心配したのは、やっぱり日本語能力試験でした。テストを受験する前に、本格の試験に近い環境で摸擬練習を行っておくことはもちろん不可欠です。日本語図書室の受験対策類の本は出題形式から復習の重点まで、実際の日本語能力試験を忠実に再現しました。常日頃から問題形式に馴染、反復トレーニングがありましたので、私は能力試験を合格しました。だから、図書室は私の学習をサポートします。
能力に合格した後、私は日本語学習向上のために、できるだけ多くの日本語の本を読みたいです。図書室には、豊富な、質の高い蔵書があります。その時、文学作品はもちろん、地理、歴史、社会などの分野の本もたくさん読めました。それはわたしの学習に一層役立ちます。
現在、わたしはもう大学院に入りました。技術文書やマニュアル専門書などの翻訳、論文の作成、発表、調査、研究の際、図書室はもう基本的なツールとして使えます。
私は日本語の本と資料などの心配を全くする必要がないので、大学と院生生活に集中することができ、多彩な大学生活を過ごしました。図書室はもう私の指導教員になったと言えます。
山東大学(威海) 翻訳学院日本語科3年 崔艶艶
知らず知らずに日本語を勉強してもう二年半になりました。大学に入る前は、日本語を勉強するなんて全然思ったことがありませんでした。そして、最初に日本語に出会ったとき、いったいなんだろうと思うこともあって、中国語と比べると、漢字も違って、読み方も全然だめで、難しいと嘆いていました。でも、ちゃんと勉強するに従って、だんだん興味を持って、今からして見ると、大好きでもう離れられないです。
私にとって、日本語を勉強する過程で、文法や、語彙などの専門授業が必要だと言っても、日本文化や、生活習慣などを理解することも一番重要だと思います。そして、日常の生活で、図書館の本をできるだけ利用して、自分も豊かになって楽しんでいます。でも、先生から聞くと、以前は図書館での日本語についての本はとても少なかったそうです。なぜなら、ずっと日本語科の学生人数は多くないが、それに、その時の学校の経済がちょっと緊張していたからかもしれないそうです。もっと多くの本を求めたいので、どうしようかとみんな心配していました。その時、日本科学協会のおかげで、大量の本を無料に寄贈してもらえて、学生とも先生とも、すごくうれしかったです。私にとって、これは願ったりかなったりのことだと言ってもいいです。いつも、授業が終わってから、図書館へ行って、自分が好きな小説を選んで楽しみに読んでいます。それらの本を読むことによって日本語が上手になれると言わずにおかないです。本は世界の窓というとおり、外国語を手に入れるために、その国について全面的に認識とは不可欠です。今、お金があれば、多くの学生が日本へ行って留学をしますが、全てではないです。お金が足りない学生にとって、本を読むのはより有効的な方法だと思います。
すなわち、日本の皆さんのおかげで、大きな便利をもたらしてもらいました。本当にありがとうございました。今後、ぜひ、もっとまじめに日本語を勉強して、寄贈してもらった本も十分に利用して、日中友好のために自分の力を捧げます。
山東大学(威海)翻訳学院日本語科3年 鄭思瑶
数年前に、日本のアニメを見たことをきっかけに、日本語及び日本文化に非常に興味を持っていました。日本語を勉強してから、もう三年ぐらいになりました。知識を積み重ねるにつれて、だんだん日本語の原文の著書や資料などを求めるようになりました。山東大学の図書館で日本語書類整理している私は心から感謝な気持ちを持って、日本の皆さんから寄贈していただいた本を拝読して、すごく勉強になりました。こんなにたくさんの本は内容も充実して、みんなの需要に応じていて、本当に助かります。それらの本は私の生活を豊かにしただけでなく、私の疑問を解いてきました。ここで心からお礼を申し上げます。日本科学協会、日本財団は日本を理解する窓を開けてくれただけではなく、中日友好の橋もかけたと思います。私もこれからもっと頑張らなければなりません。
山東大学(威海)数学と統計学院数理経済学科 陳春霖
ご寄贈いただき、誠にありがとうございます。
私は、子供の時から日本のアニメと文化が好きで、高校生の時日本語を自学しました。その時、手元にある日本語の本は二冊くらいだったから、大学の図書館で日本語の原作を見つけた時、とでも嬉しかったです。私の専門は数学と経済ですが、勉強の余暇を利用して、図書館にある日本小説などの本を読んで、日本語の勉強を続けていました。
この前、私は学校の図書館で、日本の皆さんから寄贈された図書の目録を作成する仕事を手伝っていました。寄贈された図書の中に、自分の専門と関わる本もありました。贈られた本のおかげで、私は日本語と日本の経済研究への理解が深まり、日本の経済学に興味を持つようになりました。
日本の文化や知恵が本を通じて私たちに伝わってきます。各分野の本が勉強に役立つだけでなく、読者の視野を広げることもできます。日本の皆さんが各分野の図書を寄贈していただいて、心から感謝いたします。これからも本から習ったものを活用できるようにがんばりたいと思います。
山東大学(威海) 翻訳学院 日本語科3年 陳艶艶
多くの本をいただいて誠にありがとうございました。
わたしは子供の時から読書が大好きです。本に載っている内容だけでなく、本そのものも大好きです。本のその匂いとその手触りを感じるととても気持ちよくなります。
大学から日本語と出会ってもうすぐ三年になります。日本語はほとんどゼロから習いました。あいうえおの発音から習って毎日多くの単語を覚えて教科書の本文を暗記していろいろ努力しました。それを通して現在は普通の日本語の原著小説もほとんど読めました。原著を読んで日本人の考え方と思惟もよりよく理解できます。そのなかで夏目漱石先生の「我輩は猫である」「坊っちゃん」は大好きです。そして吉本ばななと江国香織の作品も気に入っています。しかし、中国の本の市場で日本語原著は少なくて価格もかなり高くてなかなく手に入れることが難しいです。だから、今度こんなに多くの本を贈ってもらってほんとに助かったと思って感激です。
上海交通大学日本語学科院生3年 匡修娜
私は上海交通大学の日本語学科の院生三年生の匡と申します。2011年から交通大学の図書館で日本語書類の整理を担当させていただきました。ここで私は当方を代表いたしまして、長年、日本科学協会から図書を寄贈していただいたことを心からお礼を申し上げます。
まず、このような有意義な仕事である日本語書類整理を担当させていただいて大変うれしく存じます。また、学んだ日本語を実際に役立てることができて本当にありがたいと思って、本棚にきちんと並べている寄贈図書を見るたびに、非常に誇りに感じています。
今年は、私にとって日本語書類の整理を担当させていただいてから二年目でございます。この二年間の仕事を通して、私はいい勉強になりました。まず、書類の整理という仕事は勝手にするわけにはいかなくて、いつまでも読者の立場に立って考えるべきなのです。言い換えれば、読者の本探しが便利になるために、我々はどういうふうに書類を整理すればいいのだろうかというサービスの意識を持つべきなのです。それから、書類の整理中、我々は細かいところまで気がつかなければならないと要求されました。なぜかというと、もしも整理途中で何かミスをおかしたら、読者の本探しに不便をもたらす可能性が高いからです。そのような要求から、我々の集中力と責任感は鍛えられるにちがいません。その他に、目録作成によって、日本の皆さんから寄贈していただいた図書の内容は多岐にわたっているとわかりました。具体的に挙げると、文学、医学、物理、化学、歴史、法律、政治、科学技術などが挙げられます。
それらの寄贈図書はわが図書館の日本閻蔵書を豊富になされただけではなく、うちの大学の日本文化研究、先生と学生たちの研究活動にも積極的な働きを果たしています。私もそれらの多くの受益者の一人でございます。寄贈図書の中から修士論文のテーマを見つけた上に、たくさんの文献資料を収集していました。それに、私が多角度で、全方位で日本社会の経済文化と科学技術を接触することができて、私の視野も広げております。
このたび私達はまた日本の皆さんに対し、誠に感謝の意を持って、同時にこれからも、日本の皆さんより引き続き各分野の図書を寄贈していただいて、中国の教育事業の発展を支持していただくことを心から期待しております。
瀋陽師範大学外国語学院日本語科3年生 宗雪
多くの本を贈ってくださってありがとうございました。いくつかの本を読みました。とても役に立ちました。日本語の勉強だけでなく、日本人の日常生活や風俗習慣なども分かりました。おかげさまで、いい勉強になりました。これから、日本語の本をもっと読みたいと思います。
瀋陽師範大学外国語学院日本語科3年生 劉婷婷
いろいろな日本と日本語についての本を贈ってくださったこと、心から感謝しております。読書を通して、見聞が広がり、視野も広くなりました。日本文化や日本料理などが少し分かりました。日本語の勉強も好きになりました。
瀋陽師範大学外国語学院日本語科3年生 閻姝玲
最近、贈ってくださった日本文化についての本を読んでいます。日本に関する知識をたくさん習いました。例えば、日本の歴史とか、文学とか、面白くて、だんだん興味を持つようになりました。たくさんの本を贈ってくださって本当にありがとうございました。
黒龍江東方学院日本語科2年 施青
このたびは、わが校にたくさんの本をお送りいただいて、誠にありがとうございました。一つの中国の古い言葉があります。「万巻の本を読んだら、万里野道を歩くことができます。」この文の意味はたくさんの本を読むと、知識をたくさん学ぶことができるという意味です。そして、人生の道も長く続いています。
学校の中に本を好きな人はたくさんいます。私も好きです。読書はいい習慣だと思います。毎週、外国語の閲覧室は、必ず行くところです。この知識の海洋の中で、いろいろ勉強することができて、自分の視野も広がっていくようになりました。私は日本の本が好きです。今、私の日本語能力に限りがありますので、いつも単語を辞書で調べながら、読みます。でも、面白いと思います。日本について、いろいろなことに興味があります。たとえば、日本の経済、歴史、文化、飲食、教育など及び日常生活の細かいことを知りたいです。たくさんの日本の本を読むことは必要だと思います。
こんなすばらしい環境を提供する学校とたくさんの本を下さった協会の皆様に感謝の意を表します。これから、自分がもっと頑張って、一緒懸命勉強しなければならないと思っています。
黒龍江東方学院日本語科2年 呂瑩
この度、本校にたくさんの書籍をご寄贈いただきまして、本当にありがとうございました。本を好きな気持ちを持っているのに、私が日本のアニメが好きで、だから日本をよく知ることが欲しいです。本を通して、私は新しい世界を見られます。この世界の中で、何もかもが一見に値します。有名人とか、食品とか、文化があります。
私は日本語を一年間半ぐらいだけ勉強しましたが、分からないことがたくさんありますので、いつも電子辞書でわからない単語を調べながら、日本語の漫画を読みます。面白いところを見て、ニコニコしています。だんだん、私の日本語が上手になります。好奇心を持って「なんという意味?」と思い、今、私は本をたくさん読むと、まだまだ上手ではないと思います。
図書館の本が、私の勉強することへ努力させながら、頑張ることをもたらします。この学校で学ぶことの幸せを実感するとともに,この度たくさんの書籍をご寄贈していただいた協会に対し、心より感謝の意を表します。これから、ますます勉学に励むことを、ここにお誓いいたします。本当にありがとうございました。
遼寧師範大学外国語学院 日本語科院生 崔延谷
読書から出た感想
2013年9月、幸いに私は日本語科の大学院生として遼寧師範大学に入った。ここから私と日本語のもっと深い付き合いが始まる。日本語科の院生として、専門知識を習得だけではいけないということをよく知っている。また、日本民族、日本文化及びその発展過程を飲み込む必要もある。先輩の薦めで、学部の資料室というところを知った。初めて資料室に入ったときの気持ちはいまでも忘れられない。その中の本の種類は私をびっくりさせてしまった。さらにすべてが日本語原版のものである。本場の日本語書籍は私たちのような日本語を学ぶものにとってはかけがえのない宝である。先生の話によると、このようなものはすべて日本科学協会から寄贈されたものだそうである。日本語を専門としている学生のみならず、日本語科の先生たちにも本当に助かるから、全員が日本の皆さんに対しての感激は言葉では言い表せない。
「書籍は人類の進歩の階段だ」、ゴーリキーはそう言った。ある人は本を贈ることが論にも杭にもかからぬことだと思うかもしれないが、私はそういうことはたいしたものだと思っている。日本の皆さんからの書籍は文化、文学、言語学などいろいろな分野に関し、日本のことをよくわかるためにもっと多い窓をあけている。島崎晋の『中国人の考え方が二時間で分かる』によると、日本人の目を持って中国人の私達の行為習慣及びその後に隠れた中国文化を念入りに見て、日中文化対比の中で日本文化に対しての理解を深めている。『日本文学作品鑑賞』によると、川端康成の筆の下の独特な日本美を味わい、芥川龍之介の『羅生門』の中の人間性のエゴをも見た;森田良行の『日本語文法の発想』など言語学の本によると、私の日本語の習得における疑団を解いている。
資料室から好きな本を借りた時、私は日本の皆さんのことを思い出した。「読書は巨大な力だ。」レーニンはそのようなことを言った。もし私達の日本語の習得を、船で海を航行することと見なすなら、日本の皆さんからもらった書籍は私達の航行に大きなエネルギーを注ぎ込んでその航行をもっと軽やかにさせている。心から日本の皆さんに感謝を表す。一方、この書籍をもっと大切に利用している。日本の皆さんの期待を裏切らないで日本語を身につけている。日中両国間の理解を深めるために、両国は各分野の交流を促すために、両国の共同発展と進歩のために、自分の力を捧げたいと思う。
遼寧師範大学外国語学院 応用言語学専門学科 宋昀倩
まず、私は心から日本の皆さんに深く感謝しております。日本の皆さんのおかげで、私は文学についてちょっと考えがあります。
文学は文化の下位概念で、簡単に言えば、言葉の芸術であると言えます。また、文学は口承文学と記載文学に大きく分けられ、一般的に後者が主として文学の研究対象とされています。しかし、言葉にしても、文学にしても、その生まれる地理的空間と時間的空間がなくては生まれ得ないものです。科学技術の発展とともに情報化されつつある今日の世の中においては、日本本土以外に、日本人によって作られた文学作品も日本文学の範囲内に入れておくべきであります。
日本における文学は、いつ、どのように発生し、発展していくかについてはさまざまな学説に説かれているが、分からない点がまだ多いです。やがて漢字の伝来によって記載文芸が成立し、飛鳥時代を経て、奈良時代になると、ようやく個性的な文学が開花しました。また、世界の文学は各国民の思想や感情や理想や生活などを内容とし、その国の風土、自然の影響下に個性ある作品を創造します。従って、日本の文学をよく理解するには、季節と土地を代表とする日本の風土と文学との関係を考えなれればなりません。すべての文学作品を叙述する場合、時と場所と人間関係を無視することができません。こうした条件がなければ、文学は成り立たないからです。また、四季的な意識は後には日本の文学を支える不可欠な要素となりました。日本人は手紙の始めにも、また人と会った時のあいさつにも、まず天気のことに触れます。日本人の季節に関する鋭い感覚は日本特有の花道、茶道と俳句などの発達を促しました。従って、日本文学を創造する際に、こうした日本人の内部に浸透した意識が表現面に姿を現したのは自然です。
私の専門学科は日本語で、日本の文学をよく知る必要があるだと思っています。すると、日本語らしい日本語をよく学ぶことができます。ぜひ頑張ります。
中国語原文
大連外国語大学ソフトウェア学院日英強化10級9班 遅明旭
私と日本語寄贈図書
図書館五階の数え切れない日本語寄贈図書があるそのフロアは、夢の始まったところです。
大学に入って日本語を学んでいますが、一番エキサイティングで時間を忘れられるところ、そして時間を作ってでも訪れたい場所は図書館五階をおいて他にありません。本棚の一列一列には日本の各界から贈られた本が整然と並べられています。海の向こうからやってきた本を手に取ると、そこから自分の夢が芽吹いてきたような感じがして、汗水を注げば天まで届く大樹に育ちそうな気がしてきました。その大樹のてっぺんで地上にはない空気を吸い、地上からは見られない風景を見るつもりです。
初めて訪れたときの恐怖心もまだ覚えています。一番の基本であるひらがなさえマスターしていなかったのに、急いで日本語の本が読みたかったのです。初めて日本語の原書を目にしたとき、中国と綴じ方向が反対で縦書きという印刷の体裁に違和感があり、中身に至ってはちんぷんかんぷんでした。たちまち、心の中がそわそわして来ました。これは私の学ぶ日本語で、私にも習得できるのか、本当にこんなものが読めるようになるのかしら?次に訪れたときには、感じ取れるものが多くなっていました。かなと付き合わせれば最低限は読めるようになっていたのです。はっきりと意味が分かるには至っていませんでしたが、その感覚には驚きました。そして、日本語の優秀な通訳翻訳者になりたいという夢が湧いてきたのです。それ以来、ここにある日本語寄贈図書を詳しく読み始めました。小学生向けの児童文学から、中高生、大学生向けの文学、芸術、科学読本、さらにはより高度な各種の専門辞書まで、カバーされていない内容はありません。言語の基本的感覚を磨く趣味には十分役立つものです。それからこの場所は長らく滞在するところに変わりました。授業がないと決まってここを訪れ、そびえ立つ本棚の間を通ると、目にするもの、心に浮かぶものすべてが日本語に関わるものばかりになりました。簡単な読み物を目にするとうれしくなり、前の授業で出て来た単語や文型を思い出したり、先生の説明された口調まで思い出したりしました。分からない内容に当たったときは、暗記して調べ方を考えました。最も苦しいのは「うろ覚え」のものを見たときです。明らかにどこで学んだ覚えがあるのにどうしても思い出せないと、どうしてもがっかりしてしまいます。
いずれにしても、ここの日本語寄贈図書は私の日本語レベルの進歩を証明してくれる存在です。高度で深みのある本たちを見ると、いつかはきっと読めるはずという自信が溢れてきます。それだけではありません。こうした優れた本のおかげで、日本語が本当に好きになり、日本をよりよく知ることができました。
ゴーリキーは「書籍は人類が進化するきざはし」という言葉を残しています。人類が進化するきざはしというだけではなく、各国の人々が互いに理解し友情を深める橋でもあるのではないでしょうか。本は言葉による交流の使者のみならず、中日文化と両国民の友好の象徴でもあると思います。私の夢がこれほどたくさんの祝福を受け、これほど恵まれた土地に芽生えたことはとてもうれしく誇りでもあります。日に日に成長していく様子が目に浮かぶようです。
大連外国語大学 目録編纂部主任 楊振力
日本語寄贈図書に関する私見
本学の図書館には、何年も蓄えられてきた日本からの寄贈図書があります。寄贈図書は五 階の書架にそっと置いてあります。書籍の内容には、経済、歴史、文化、科学、体育、参考書といった多くの分野が含まれ、百科全書や辞書類まであります。寄贈図書は蔵書資源を豊かにしてくれただけでなく、おかげで本学の図書館が国内高等教育機関の日本語文献蔵書数でトップの地位を確立できました。
これらの寄贈図書は教員や学生の学習生活に重要な働きをしています。日本語の寄贈図書は本学学生の大学生活を豊かにしてくれました。多くの学生が余暇の時間に図書館で本を借り、授業では得られない多くの知識を学んでいます。先生方も同じように、そこで教育の基礎技能を強化し、より広くより深く日本を理解しています。
多くの学生が古詩の辞書を借りていますが、その中に『宋詩鑑賞辞典』というものがあります。古詩の訳文、作者紹介、評価と分析が載っているのです。この本を見ると中日文化の関わりに気づくことができて面白いと思います。特に鑑賞の内容は古文より分かりやすく、しかも日本語の語法と漢字の由来をよく理解できます。
科学分野の書籍では当時の先端科学技術が紹介されており、とりわけ飛行機製造関連の書物が充実しています。このうち日本の飛行機の発展史を紹介した本によると、17世紀から21世紀まで、たくさんの科学者と愛好者が飛行機の開発に身を捧げているそうです。この本からは、物理の知識をたくさん学ぶことができました。同時に、日本民族の真摯な精神性と武士道精神を味わうこともできました。真剣に開発された図面によって1つ1つ真剣に飛行機全体を製造する彼らの姿。生命を脅す事故があっても、科学への愛を抱き、人々の幸福のため、勇敢に、いっそう品質の優れた飛行機を青空へと送り出しているのです。
図書寄贈事業が今後も続き、そして双方の学生が文通や討論をできるようになればと願っています。以上をまとめると、日本語の寄贈図書は学生にも教員にも分かりやすい、優れた媒介の一つだということになります。「本」という素朴なイメージを媒介に、橋を架けるのです。ネットの氾濫と比べて、日本語講座はあまり広まっておらず頻度も低いので、大いに日本語人材の育成を強化してくれる寄贈図書は、中国全土と世界の各方面の健全な発展に役立っています。
日本語の寄贈図書を大学時代の親友、良師とし、人生のすばらしい思い出にしましょう。
黄岡師範学院外国語学院日本語資料室 管理人 呉珊珊
黄岡師範学院が頂いた読書という永遠の宝 ―図書寄贈事業への感謝状―
こんにちは。
本学日本語資料室へご寄贈いただいた図書を拝受しました。ここ一年で貴協会から頂いた日本語の書籍や資料は大量にのぼります。中日両国民の間の切実な期待とすばらしい真心が託され、また文化交流の推進に双方が積極的に努力している表れでもあるこの資料類は、本学日本語資料室に莫大なる助けとなってくれました。
寄贈図書は政治、哲学、社会科学、伝統教育、歴史文化、地理などの領域をカバーしており、収蔵価値も利用価値も高く、第一に学術的な価値が高い点は特徴的です。日本語学科の教官にとって、教育や専門研究などにとても役立つ書籍が多く、また教官自身の専門の学習や研究にも理論的根拠となってくれています。また、人文面での意義も深く、中国の古典文学の名著の紹介に関するものがたくさんあって、幅広い学生達の知的欲求や探究の熱をかき立ててくれています。
こうした特徴のため、ご寄贈いただいた図書により本学の蔵書資源を充実できただけでなく、資料室で共有利用できる読者も多くなりました。これらの貴重な文献資源は、本学の教育学習水準を高めるための頑丈な基礎を打ち立てて、教員や学生が科学研究に従事する際の需要を満たしてくれるものです。教員や学生の精神文化生活、学風の洗練と発揚に対して、促進作用と末永く記念する意義があります。
貴協会の本学文献資源充実に対するご支持、黄岡師範学院の日本語教育事業への無私なる貢献に心から感謝を申し上げます。
薔薇を贈ればその手にも残り香がと申します。貴協会の惜しみないご寄贈で本学の教員や学生が得られたものは大きく、寄贈図書の価値と私達の精神面での境地がいずれも昇華できたものと思います。
貴協会の図書寄贈事業が日増しに向上発展されますよう、また貴協会各位のご清祥とご活躍をお祈りしております。
大連理工大学 図書館館員 李晋瑞
寄贈図書に対する一図書館員の認識
大連理工大学図書館はここ数年、日本科学協会から図書の無償寄贈を頂き続けております。2007年以来、当館は毎年4〜5千種類、5〜6千冊の日本語寄贈図書を頂いてきました。数の面で当館の日本語蔵書を大幅に充実させてくれているだけではありません。最も重要なことは、本学の教員や学生が日本語を学び日本の文化を知る上で自然と感化していく影響力です。私は図書管理員の一員として、仕事柄、つねに日本科学協会からの日本語寄贈図書と接触しておりますが、長く触れるうち、日本科学協会の状況、日本語寄贈図書の管理および使用について、浅見ながら考えを持つに至りました。
まず、日本科学協会について詳しく知りました。
日本科学協会は1924年6月13日に設立された、日本で最も歴史ある公益団体の一つです。協会の設立された趣旨は、国内外の科学者の結びつきと協力を強め、科学知識を普及させて科学研究を奨励し、科学技術の発展を促して国利民福を図り、世界平和の発展に貢献をすること。日本科学協会の設立当初、有名な科学者200数名が理事や議員として活動に参加したことは、当時の科学の普及と推進に絶大な効果を発揮しました。同協会が主に従事している公益事業は、若手科学研究者への資金援助、科学の普及・体験活動、図書寄贈およびその延長線上にあたる活動など。主要な中国との交流事業のひとつとして、中国の大学や研究機関への無償図書寄贈事業があるのです。
次に、日本語文献閲覧室が、本学日本語専攻の実習拠点となりました。
実習で日本語文献閲覧室を訪れる学生達を受け入れ、寄贈図書をよりよく利用するよう促すことがよくあります。実習の過程で当館の日本語資料への理解を深めることにより、後日より効果的に日本語図書を利用できるようになるのです。日本語寄贈図書の学習を通じて、多くの学生が「笹川杯日本知識大会」、中国語/日本語「笹川杯作文コンクール」にも参加できるようになり、さらに「笹川杯日本知識大会・作文コンクール優勝者訪日交流」などの派生イベントも増えています。
もう一つは、日本語専攻以外の読者もよく日本語文献閲覧室で学んでいることです。
日本語専攻の教員や学生の他にも、日本科学協会の寄贈図書で自分の専攻に関するものに関心を持つ多くの人が訪れています。例えば法学専攻では日本の法律を研究する教員がおり、寄贈図書にも日本の法律に関する専門書が数多くありますが、言語が難関のひとつとなっています。いっぽう日本語学科の学生がちょうど翻訳方面の専攻であるときなど、図書館員として自分が両者のニーズを結ぶ架け橋となり、日本語学科の教員や学生がニーズある他学科の人々に翻訳を提供できるようになるのではと思っています。そうすると読者のニーズを満たせるだけでなく、寄贈図書の新たな有効利用法にもつながります。アニメの流行につれて日本語学習を趣味とする大学生も増えてきました。日本語寄贈図書にもアニメ分野のものが多く、日本語や漫画を好む読者に人気です。図書館日本語文献閲覧室は本学の日本語愛好者すべてに開放し、寄贈図書を存分に利用してもらっています。
中日交流の進展と図書寄贈事業の継続につれ、当館の日本語文献資源も充実してきました。当初計画していた日本語閲覧室だけでは需要が満たせなくなり、調整して日本語図書の書架を拡充しなければならなくなっています。今後は日本語文献の蔵書充実に努めるとともに、寄贈図書の効果的な管理と利用をより進め、よりよく利用してもらうための多彩な広報宣伝や指導を通じ、教員や学生の研究や学習に文献資源によるサポートと読書推進業務を提供していく予定です。
大連理工大学化学工業環境学院 化学工業基礎科学2012級 春江
日本語寄贈図書の読者より
日本語寄贈図書からの影響
自身は日本語専攻でないため、日本語をあまり深く理解していません。ですので、私のような日本語初心者である学生にとって、図書館の日本語蔵書は実に豊富で、ニーズを満たしてまだまだ余りあります。
歴史関連などの日本語蔵書は特に優れており、とても気に入っています。たくさん読みましたが、そのうち耶律楚材を扱った数冊がとても印象に残っています。 ここの日本語図書は大多数が専門性の強いもので、日本語初心者が読んで理解するのは少し難しいと思うため、今のところ専門書以外しか読めません。専門用語がよく分からないので、避けて通るほかないのです。
私のような日本語初心者にとっては、いかにすばやく日本語原文図書を読めるか、どういう入門書をどのように選ぶかが肝心です。私は、入門ランクとしてシナリオ性の強い「ドラマ、映画の改作」から入りました。図書館の日本語蔵書で読んだことのあるおすすめの本を以下に紹介します。
1:『流星の絆』単行本、当館索引番号:I313.45 D675A (8)
アイドルユニット嵐の二宮和也、戸田恵梨香、錦戸亮が主演した2008年のドラマ『流星の絆』のノベライズ版です。
2:『容疑者Xの献身』単行本、当館索引番号:I313.45 D675A (5)
福山雅治と柴崎コウが主演した映画で、原作は東野圭吾の同名推理小説です。2003年から『オール讀物』に連載され、2005年8月に文藝春秋社から出版されて、第134回直木賞と第6回本格推理小説大賞を受賞しています。
3:『野ブタ。をプロデュース』単行本、当館索引番号:I313.45 B157
国民的ユニット「修二と彰」永遠の名作です。原作は白岩玄の同名小説で、2004年度文芸賞を受賞しています。
4:『電車男』単行本、当館索引番号:I313.45 Z706C
『電車男』の物語はネットで「電車男」と呼ばれる青年が、日本最大の総合掲示板2ちゃんねるに書き込んだあるスレッドから始まっています。そのスレッドでは「電車男」が「エルメスさん」と知り合って付き合うようになったいきさつをリアルに記録していき、その間にたくさんの親切な2ちゃんねる達が世間知らずのオタクのために戦略を練っていきます。そして「電車男」は日本のネット上で注目の存在に。
5:『窓ぎわのトットちゃん』単行本、当館索引番号:I313.84 H338
ユニセフの親善大使を勤める黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』は、本人の小学校時代の実話が描かれた作品です。トットちゃんはおてんばが過ぎて元の学校をやめさせられ、巴学園を訪れます。しかし小林校長はいつもトットちゃんに「本当にいい子だ」と声を掛けます。彼の真心と指導のもと、普通の人には「とてもおかしな」トットちゃんが次第に誰にも受け入れられる子へと育っていきました。
日本語は想像していたほど読みにくくありませんでした。日本語系の書き方と考え方にさえなじめれば、かえって分かりやすいものです。反対に、中国語訳するとあいまいさを生じてしまう文章もいくつかあります。自分のレベルがまだまだだから、と最初の一歩を踏み出せずにいる外国語学習者は多いものです。事実、皆さんは日本語原典を恐れすぎています。
図書館には今後、常識、名著、歴史、芸術に関する分野の書籍をさらに拡充してもらえたらと望んでいます。そうしたものがあれば、日本語を学ぶたくさんの人がもっと早く入門できるようになります。
日本語の蔵書の多くが日本の皆さんの寄贈図書であると知って、とても感激しました。こうした中日両国の「文化大使」は、両国の文化交流と両国民の友好を静かに促すもので、この上ない善行だと思います。
天津師範大学 図書館職員 王慧娟
日本語図書閲覧区を管理して
当館の日本語図書閲覧区は全学に開放されてからあまり日が経っていません。ここでは日本語寄贈図書の書架が12本あり、日本の十進分類法により並べられていますが、誘導表示には中国語を採用しました。閲覧室のスペースが広いため香港や台湾の図書、教員からの寄贈図書、フランス語図書、定期刊行物も同じエリアに配架していますが、もちろん日本語図書が主体です。ただ、そのため日本語図書だけでの読者数や書籍の利用状況がまとめられない点にはお詫びを申し上げます。
ご寄贈いただいた図書は内容から見て非常に様々なものです。頂いた27977冊は22もの大分類に渡っており、特に師範大学が設ける学科に関する種類を挙げると、文化、科学、教育、スポーツ類が1143冊、文学類が13634冊、歴史、地理類が3142冊、芸術類が1719冊あり、本学の教育に役立っています。当館の蔵書が大いに充実し、知識を学び日本を知る土台を幅広い日本語愛好者に提供しているのです。
ここである教員の例を引き合いに、日本語寄贈図書への好意からその価値をご覧いただきたいと思います。都市環境学院で教鞭を執るこの教員は日本留学経験があります。日本語閲覧室を訪れた彼は書架に満載の日本語原典を目にすると非常に興奮した様子で、全部にひととおり目をやってから自分の専門に関するところで足を止めました。欲しかった本がこんなにあるなんて、まさかと口にしながら。携帯電話で本を撮影してから、時間ができたら必ず読みに来ると話していました。その様子にはこちらも興奮を覚えました。この日本語原文資料という資源はきっと、教育や化学研究に適した有効な文献情報を保障してくれるでしょう。
惜しむらくは頂いた図書の出版年代が古めであること。ある程度の割合で新しいものも増やしていただければと望んでおります。また、シリーズものやセットものの欠落も改善していただきたい点です。
渤海大学大学院2年生 範博興
読者より
日本科学協会から本学図書館にご寄贈いただいた図書は、緊張の続く学生生活に潤いをもたらし、尽きぬ楽しみを味わわせてくれています。私は日本語を専攻する学生です。日本アニメの影響で、日本の文化に惹かれたのでこの専攻を選びました。院に進んで日本語原書の蔵書のなさに苦労していたところ、日本の皆さんから本学図書館にご寄贈いただけたことで焦眉の急が解決できたところです。最近も日本語の言語学専門書を何冊か読んで、日本語の生い立ちをより深く理解することができ、日本語そのものに対する研究を進める自信が付いてきました。
日本語を学ぶ中国の学生にとって、日本の皆さんからの寄贈図書は学習や自由時間をきわめて豊かにしてくれるもので、専門学習に対する情熱もより強いものにしてくれました。今後ももっと良書をご寄贈いただけることを望んでおります。貴協会のますますのご発展を願って。
瀋陽師範大学 図書館員 胡永強
瀋陽師範大学図書館で日本語寄贈図書の受け入れに従事している者です。2012年に日本科学協会と寄贈図書の授受関係を正式に結んでから2年間で頂いた図書は2万冊あまり。寄贈図書が到着するたび、本学日本語学科の教員や学生を招いて興味のある書籍を選んでもらい、彼らの学科内資料室に持ち帰ってもらいました。皆さんの便宜を図ってのことです。同時に、データ整備の済んだ寄贈図書の書目を本学の外国語学院と教養外国語課程の教員へ送信して参考にしてもらっています。
これらの日本語寄贈図書は本学の幅広い教員や学生に対して教育、科学研究、日本語学習を大いに助けるものとなり、また当館外国語文献の蔵書を充実させ、日本語専攻の構築をも促しています。長らく図書をご寄贈いただいている日本の皆さんには一同が深く感謝しております。本学が貴協会との友好的な関係を維持してより広い領域で協力や交流が強化できることを希望いたします。
瀋陽師範大学外国語学院 日本語教員 陶烏雲
頂いた図書の内容は、科学技術、教育、管理、芸術、日常百科などの多数の領域に渡っています。これらを読むと視野を広げることができ、余暇の生活も充実します。教育プロセスに活用できる知識もたくさんあります。日本語の学習になるだけでなく、多方面の知識を得ることもできるのです。図書寄贈にはとても感謝しております。
瀋陽師範大学外国語学院 日本語教員 朴実
ご寄贈いただいた図書の中から、一・二年生向け日本語指導の参考になるものと個人的に興味のある書籍を手に取りました。読み進めると、日本語の教育と個人の知識の充実の両面に大きな助けとなることが分かってきます。特に百科知識を扱う絵本は、入門段階にある日本語学科の学生にとって、日本を知り日本文化に興味を持つことにとても役立っています。図書寄贈にはとても感謝しております。
瀋陽師範大学外国語学院 日本語教員 梁田
今回ご寄贈いただいた図書から、家庭生活関連のものを手に取りました。とても実用的で興味深いものばかりです。特に育児知識に関する2冊からは、日本人の子供に対する独特の細かな気遣いやぬくもりを深く感じられます。
黒龍江大学東語学院日本語学科三年 欧水花
私の大学での三年間を日本科学協会からの寄贈図書と共に送ってきました。日本の皆さんにはとても感謝しております。貴協会からご寄贈いただいた図書のおかげで視野が広がり、情操も磨くことができ、知識に幅を持たせることができたと感じています。特に強く恩恵を感じたのは文学類の書籍です。個人的に文学を好んでいるためかもしれません。日本語センターで読める文学作品は主に世代の古い作家によるものが多いのですが、新興の作品や若手の作家にも触れてみたいと希望しております。もし可能であれば、そうしたものもお送りください。改めて、日本の皆さんのご支援に感謝いたします。ありがとうございました!
黒龍江大学公共外語学院日本語学科2011級 許思思
日本の皆さんには心から感謝しております。長年に渡り本学図書館に大量の日本語図書をご寄贈し続けていただいているおかげで、本学図書館は豊穣な知識の実る土地として潤ってきました。無償でご寄贈いただいているさまざまな図書からは、実質的な助けだけでなく、無私の善行に対する感動も大いに受けております。善意に国境はないのだとしみじみ感じました。収蔵価値も利用価値も高いこれらの図書のおかげで、蔵書資源が充実しただけでなく、折に触れこの貴重な資源を知り利用する学生も増えてきました。これらの図書を通して、日本の伝統の精髄が持つ魅力をよりひしひしと感じ取ることができ、日本語という言語の魅力を学ばせてくれる小説もあり、雑誌や漫画は日本の暮らしの楽しみや実情をよりリアルに味あわせてくれる存在です。これらの寄贈図書のおかげでより日本のことが理解でき、日本語好きでなくなる理由もなくなりました。日本語検定の関連図書がもう少し頂けると助かります。 改めて、ありがとうございました!
南京大学 図書館職員 趙婧
日本科学協会からの寄贈図書は南京大学図書館の文献資源の構築にきわめて重要な一部分となっています。ここ十数年で多くの学生や教員に提供してきた豊富な研究資料や読書の資源はいずれも好評です。
読者からの声として、学生および教員に代わってこの場で希望を述べたいと思います。特に哲学、宗教、歴史、地理、言語学、社会学、政治関係などの分類の科学研究に適した文献をより多く頂けないでしょうか。
また、読者に代わって、日本科学協会の職員各位、先生方、ご寄贈くださった皆様にも衷心からの感謝を申し上げます。皆様方のご寄贈、ご努力のおかげで、これほどまでの善意と知識が得られ、まことにありがとうございます。
寧波大学外国語学院日本語1班1年 伏双
日本語書庫へのお礼と提案
寧波大学の日本語書庫は包玉剛図書館の1階で、利用者にとって便利な場所にあります。本の種類は多く、哲学、宗教、社会科学総論、政治、法律、自動化技術、コンピュータ技術……関連する範囲はとても広範です。日本語書庫に立ち入ると、数々のすばらしい書籍に囲まれて、日本文化の息づかいを感じることができます。
日本語を専門とする学生が日本語書庫から得られる助けはこの上ないものです。たとえば日本の百科を知るには、『日本語百科大事典』、『万有百科大事典』、『日本語大百科全書』などの書籍が利用できます。日本の家庭生活に興味があるなら、『被服整理学』、『美・健食入門』、『美容の科学』といった非常に実用的な書籍や雑誌もあります。
日本語専門以外の人でも、知りたいことをこの書庫で探すことはできます。例えば、建築分野の書籍にも人気を集めているものがあります。日本が地震の頻発する島国であることは知られていますが、その日本の人々が自然災害から暮らしを守るために辿り着いた設計理念というのは、まさに学ばなければならないものではないでしょうか。『建築』、『建築学入門』……色々あるのできっとぴったりなものが見つかるでしょう。
もちろん、日本文学は書庫の根幹です。日本の文豪の著作では、現代の『幸田伴露集』、『永井荷風集』、『芥川龍之介集』、明治の『小泉八雲集』、『木下尚江集』を収蔵。それだけでなく、『文心雕龍』や『水滸伝の謎』など、日本語に翻訳された中国の作品を見ることもできます。魯迅、唐宋八大家を研究した書籍や雑誌もあり、日本文学は豊かで輝かしいものです。彼らは学問に秀でた名族であるためか、これらの書籍から様々な解釈が見られ、多くの角度から中国文学を見つめることで、全く新しい発想を得ることができます。
日本の生態環境は良いほうだとは広く知られていますが、それでも、日本では環境保護がかなり重視されています。『日本の公害』、『環境総覧』といった書籍は環境問題の本質を高度に分析していくつかの再考を示しており、まさに環境保護が声高に叫ばれている中国社会でもこうした相互学習は不可欠です。
日本語書庫が細かくカバーしている分野もあります。例えば簡単で入門レベルの衣服のデザインと裁縫などです。和服に夢中な人は多いものの、日本人でない私達が美しい和服のデザインをすることは簡単ではありません。この問題をうまく解決してくれる蔵書があるのです。簡単で詳しい説明があり、リアルな図も載っているので、何でも簡単にできてしまいます。
まとめると、書庫の蔵書は全体として整っており、内容も豊富で、はっきりと分類されており、参考になるものばかりです。
最後に小さなことですが一つ提案させてください。日本現代青春文学のブロックを増設していただけないでしょうか。今の前衛的で自分たちの性格に合った書籍なら、もっと興味を持てるのではと思うためです。また、日本の最近の雑誌や新聞を扱うコーナーもあると、日本語を学ぶ学生はとても助かるはずです。
寧波大学陽明学院自然科学2班1年 楊佳敏
日本語書籍で助かることと図書館への提案
包玉剛図書館の1階は日本語書庫で、幅広い種類の蔵書がたくさんあります。「中国図書分類法」によってマルクス・レーニン・毛沢東の思想、哲学、社会科学、経済、芸術、文学、医薬・衛生、交通運輸、航空・宇宙、政治・法律、化学工業、農業科学など22大分類に分けられており、閲覧しやすくなっています。
日本語の本を読むと、日本の文学と文化に対する理解をより深く徹底することができ、日本文化への理解と認識が進みます。中日両国の文化交流は歴史が長く、遥か遠い古代までさかのぼることができます。書籍は文化の媒体として、自然と文化交流の重要な要素になりました。
紀元前3世紀には中国の書籍が日本に持ち込まれ、それから数千年もの間、大量に流入してきたのです。しかし近代以降、世界全体で文化の背景が変遷したため、中日間の文化上の地位は逆転して、中国は日本へ一方的に文化を伝える側から、大規模に留学生を派遣し、大量の日本語書籍を訳すようになりました。日本を学ぶことが中華振興の道となったのです。
中日両国は社会文化が近いため、日本の書籍を読むのは西方の著作に比べると簡単です。しかも日本は言語面で中国からの影響を深く受けているため、語彙の発音、単語構成法、文法、修辞などの面で中国語と通じ合うものがあります。日本の書籍を読むのにさほど困難もないため、原版の著作を読んだり資料を探す難度はかなり低いのです。特に館所蔵の法律資料では、日本の法律に関する文献が豊富です。各分野がそろっていて、重点が分かりやすく、学術性が強いので、とても参考になります。日本語書庫の蔵書は種類がそろっており、資料や文献を調べやすくなっています。また日本に興味のある学生がより深く日本の文学や文化を理解することで、中日文化交流が促進されます。日本の文化を正しく知ることができ、その優れたところを学べる基盤となっているのです。
図書館目録の編纂は図書館の仕事の重要な部分ですが、専門人員が不足しているため、本学の日本語図書は目録の編纂が相対的に遅れています。包玉剛図書館は日本語図書目録の編纂の質を上げて、さらに蔵書を充実させ、豊富な図書情報を利用しやすくしてほしいと思います。日本語図書に関連するイベントを開催して一般学生の理解を増進させ、中日文化交流を促すのもよいでしょう。
寧波大学陽明学院工程技術11班1年 鄭怡萍
本の海に浸って
いつもなら寝坊している土曜日に早起きしてしまったあたりから、普通ではなかったと思います。日差しに誘われ外出しました。
いつの間にか包玉剛図書館を訪れた私は、日本語書庫にそっと足を踏み入れていました。新疆の書籍が増加と書かれた書架に近付いてみると、神秘的で意味の分からない記号が目に入りました。何故かダライラマ6世ツァンヤン・ギャムツォが頭をよぎったのです。チベットの高僧が神秘的な存在で、探究してみたいと思わせる何かを持っているせいかもしれません。言い表せない言葉に頭を振って、引き続き中を探索することにしました。よくよく見てみると、並んでいたのはどれも日本語の書籍で、複雑な気持ちになりました。好きな国ではないし、日本語も分からないのですが、日本語にちりばめられた漢字に親近感を覚えたのです。
表面だけざっと見ると、美顔、養生、医療、生物、日本の歴史があるようです。そのうちの一冊を手にとってちらりと見ると、人物の挿し絵が幼稚だったので笑ってしまい、そっと戻すことしかできませんでした。その子達を驚かさないようにそっと離れ、少し歩いては立ち止まり、息を整えました。
ふと「痩せた」本の山の中に横たわる「太った」本に引き寄せられました。書いてある文字は分からないものの、日本の風俗を説明したイラスト本でした。男女は伝統的な色とりどりの服を着て地上で歌い躍り、活力を振りまいていました。そこには風景も描かれていて、とても調和が取れています。船上で色々な男女が歌い、銅鑼と太鼓を打ち鳴らす様はとても賑やかで、祝い事のようでした。正装の村人が一箇所に集まってみんなでひざまずき、祭祀を行って敬虔な祝福を捧げる様子は、自分の解釈では、天下の大本を描いているかのように思えました。よく分からなかったのは、豚をまるまる蒸し煮にしてから真ん中を割き、板の上に置いて雑多なものを乗せた図で、人々が夜中に野原で何をしていたのかです。丁重に何かを拝んでいるのか祈っているのか。それとも何か特別な意図があったのかもしれませんが、他人には推測しにくいものでした。
しゃがんで見ていたので疲れてしまい、その本も返しました。他の本との「出会い」に向かうことにしたのです。言葉の壁のせいで、私は図を見ることしかできません。でも心をこめて包装された画集に行き当たりました。中にはなんと水墨画があり、丁寧に描き込まれた風景から、自然の霊気を見てとることができました。動物画や人物画が主だったのですが、好みではなかったのです。
私は表面だけなぞるような見方しかしませんが、図書館を見て回る感覚は好きです。中身を読まなくとも、本が醸し出す精致な空気を味わうことはできるからです。歩いては立ち止まり、眺めると気持ちが晴れ晴れします。知識の国をぶらぶら歩くと、整然と並ぶ書籍の中から歳月がほほえみかけてきます。日本語を知らない私でも、ぱらぱらめくることはできます。成長の盛りにある学生の皆さん、広々として明るい空間の中で瞳を凝らし、静かな暖かさの環境の中で思いを馳せてみましょう。ここでは魂の帰る場所、歌心のある人生を見つけられると思います。詩人ではなくとも、歌心のある生活はできるのです。
大連海事大学からの感想文(3名分)
これほど大量の日本語図書を提供してくれる図書館に感謝しています。本学は英語学習が主体なので、購入される日本語原典が相対的に少ないのです。ここには日本の皆さんから頂いた大量の日本語図書があり、私達学生の視野を広げてくれて、日本語の学習にもとても役立っています。(日本語学科学生)
日本科学協会からの寄贈図書は、本学図書館の蔵書を充実させ、英語と中国語の図書ばかりで日本語図書の少ない状態を改善してくれました。資金不足のため日本語原典を多くは購入できない問題が一部解決できています。当館では展示書架と貸出書架を増設し、教員や学生が利用しやすくしました。日本の皆さんからの多大なるご支持とご助力に感謝を申し上げます。(図書館従業員)
かつては日本語図書をもっと導入するよう図書館に呼びかけたものですが、いまや多くの日本語図書があり喜ばしいことです。本学には日本語専攻の教員も、日本留学経験のある教員もおり、日本語原典には切実なニーズがあります。こうした日本語図書が図書館に入ると、教員のニーズの一部が満足できます。もちろん、より新しい本が収蔵できればもっとよいのですが。ありがとうございます。(教員)