※原文が日本語の声は、原文を尊重して手を加えず掲載しました。
原文が中国語の声は、原文に忠実に和訳して掲載しました。
北京大学 図書館館員 力愷
音もなく精緻に潤す――
日本科学協会図書寄贈事業の記
当館の資料経費の増大と取材の強化に伴って、ますます多くの日本語の新しい本が当館の蔵書に加わっています。私の仕事もますます忙しくなり、毎日のように大量の日本語新着図書目録に向き合って本を選び、新規購入図書の目録を作らなければなりません。教員や学生は絶えず新しい本の購入を増やせばおのずと非常に歓迎します。しかし、教員や学生からはいくつか絶版の資料を買うように要求されることもあります。しかし既存の資料調達ルートを通じて古本を買うのはたいへん困難なため、こうした要求は大部分が満足させられず、結果的に不十分になってしまいます。少し安心材料となるのは、当館が日本科学協会の図書寄贈事業に参加し続けていることです。と言うのも、日本科学協会の寄贈図書の図書目録を調べているとき、たびたび当館にとって価値の大きい本が見つかるからです。絶版された名著の単行本もあり、日本語の叢書の中で欠けていた巻もあります。こうした寄贈図書が獲得できると、効果的に当館の蔵書を補充できます。今日獲得した寄贈図書をすぐ使う読者がいなくても、近いうちに誰か教員や学生がその本を切実に探すとき、図書館にあったと満足することができます。これもひとえに日本科学協会の関係各位が価値ある図書を血眼になって探し求め、労苦をいとわず中国の各大学に送ってくださるおかげです。こうした本を手に取る読者は各位の大変な働きを特に意識しないかもしれませんが、本と知識の交流を通して、中日の間の相互理解は絶えず深まり成長しています。私達の誰もが中日の代々の友好の果実を収穫するのです。日本科学協会図書寄贈事業が順調に展開されて絶えず発展することを心から祈り、中日友好と文化、知識の交流のために舞台裏で黙々と汗を流す各位の日本科学協会の各位に深い敬意を申し上げます。皆様が健康で、お仕事が順調に進みますように。
東北師範大学 英語英文学修士課程2年 張鈴
貴協会から図書をご寄贈いただいて以来、本学の図書館の資料の書庫がきわめて大きく豊かになっただけでなく、日本語専攻の教員や学生と日本語の愛好者の教育、研究、日常の学習に便利さを提供しています。貴協会は中日の文化交流を深める方面で一貫して重要な働きを発揮しておられ、数年来の図書の寄贈は更に中日の友好交流の橋を架け、中日両国の相互の信頼と友好協力を強めています。寄贈図書は種類が全面的、内容が詳しく確実で、きわめて貴重な学習資料であるうえ中日の友情の証人でもあります。複雑な日本語の古典は私の現段階の日本語レベルをはるかに超えていますが、聞いたことがあるだけの有名な日本語の文学作品が幸運にも原版で読めることは、本当に励みになります。日本語の論文を書くときにも、これらの蔵書がとても助けになっています。多くの必要な資料が図書館の中ですぐ見つかるので、ネットを探し回る労力が省けます。空き時間にこうした日本語の書籍を大まかに見ていると、大いに私の日本語のレベルが高まり、日本語の文法、文型などをよりしっかりと把握できるようにもなるので、もう簡単な日本文学作品を読めるようになりました。もっと重要なことは、書籍は文化交流の橋であり、これらの書籍を読んで得られる見識は狭くとも、日本の文化に対する濃厚な興味をかき立てられるということです。日本語専攻ではありませんが、私も中日の文化交流のため自分の必要な努力をしていきます。
南京大学図書館 資源建設部 趙婧
日本科学協会無償図書寄贈事業に対する感謝と期待
日本科学協会が中国の大学に無償で図書を寄贈する事業はすでに21年続いており、参加大学は初めの数大学から全国へと発展しています。図書寄贈事業は、多くの中国の大学での日本に関連する研究活動の展開、および日本語の読み物の普及に対してとても大きな働きをしてきたと言えます。
南京大学は第一弾の寄贈先大学で、20年余りに渡って日本科学協会の寄贈図書が本学日本語学科の教員や学生に、学術研究、論文の執筆、日本の社会、風土、習俗などを知る助けとなっており、哲学、史学、社会学といった学部の多くの教員や学生も日本語の図書に対して需要があります。
日本科学協会のご努力により、寄贈図書の数が多くなり、質もますます高くなってきました。近年は個人や学校からの寄贈だけでなく、講談社、集英社といった著名な出版社の新書も選定リストに多く載るようになり、寄贈者と日本科学協会の関係各位にとても感謝しております。
南京大学の日本文庫は仙林キャンパス杜厦図書館2階の一等地に位置しており、教員や学生が便利に利用できます。日本文庫の周囲には多くの自習席があって、利用者は心ゆくまで日本語の書籍を読み、論文を書き、作業することができます。
南京大学の日本語の蔵書数はすでに一応の規模になっていますが、大多数が日本科学協会から頂いたものです。期待事項もあります。日本の文学、哲学、歴史などに関する研究の学術書や論文集をもう少し増やせたらと希望しております。
改めて、日本科学協会の関係各位と寄贈者の皆さんに心からの感謝と敬意を申し上げます。
瀋陽師範大学 日本語専攻3年 夏宇
寄贈図書の需要と提案
はじめに、日本語専攻の学生として、日本語の言語の学習が最も重要な要求です。私からすると、口語での交流が最も重要です。そのため日本語版の聞いて訳す練習資料が増えることを望んでいます。聞き取りと口語に関して能力向上に役立つものです。また、貴国の新聞雑誌の内容を少し更新できることを望んでいます。より先端の日本社会の動態を知ると、将来の留学の準備ができます。
次に、言語だけを専門に研究する学者になるより、言語以外の専門知識と技能を学びたいと思っています。日本語専攻の学習を完成させることを基礎に、財務会計や経営に関する知識にとても興味があります。また、野村グループ傘下企業でのインターン経験により、日本語を専門として財務会計の技術を持つ複合型人材になる決心が固まりました。しかし、瀋陽師範大学図書館では日本語の経理類の図書資料がなかなか見つかりません。日本語の経理を理解できる図書資料をより多くご寄贈いただきたいのです。私のような大学生が中日の経済事業に貢献できるようになります。
もし私の提案が採用していただけたら、とても大事にして感謝します。最後に、貴協会のますますのご発展をお祈りいたします。
中国医科大学医学情報学院情報教育研究室修士課程2年 王璐
日本科学協会寄贈図書を受け取っての感想
本学は長年に渡って日本科学協会から寄贈図書を頂いてきました。「一衣帯水で歴史が長い」、皆さんのご寄贈はきっと学生一人一人の心を温め、潤してくれるでしょう。本学の教員や学生が知識を得る力となり、キャンパスをより活気づけてくれます。皆さんの善行は、本学の教育環境にカラフルな絵巻を展開し、所蔵図書の資源が豊富になると同時に、より多くの読者に利益となるでしょう。寄贈図書を読むことを通じて、学術面で啓発と共鳴を生じるだけでなく、日本語学習の道での更なる一歩を進めることもできます。
偉大なるシェークスピアの言葉に「書籍は全世界の営養品であり、生活の中に書籍がないのは、大地に日光がないようなもの。知恵の中に書籍がないのは、小鳥に翼がないようなもの」というものがあります。本は最も親密な友であり、外の世界を知る窓です。
医学生は困難に打ち勝つ精神と力を特に必要としていますが、そうした精神はちょうど知識、書物から源を発するものです。本学の教員や学生は絶えず学習し、図書寄贈事業という学術交流を通じて、医学の発展の進歩を進めるべく努力し、本を愛する人すべてを社会の役に立つ大黒柱に成長させていきます。これは寄贈者のみならず、世界からの医学生達に対する共通の期待でもあります。改めて日本科学協会に心からの感謝と敬意を申し上げます。
中国海洋大学図書館 資源建設部館員 孫海燕
日本科学協会の寄贈図書の利用状況の感想
日本語文献資源の構築に従事して7年余りが経ち、本学の学科の建設全体を動かす力のある仕事だと深く感じています。大学の予算が限られているため、外国語原書に配分される予算は、多くの教員や学生からの需要に比べると焼け石に水です。日本科学協会からの寄贈図書はこの矛盾の緩和にとても役立っています。種類が豊かで扱う幅が広いだけでなく、大学の方針に応じて選ぶことができ、この大学別選定制度により頂く本の適格さがきわめて高まるため、当館の蔵書需要にとても適しており、教員や学生からの需要に応じやすくもなっています。私の知っている限りでも、数名の学生がこれらを利用して卒業論文やふだんの課程の小論文を書いています。また寄贈図書にはベストセラーもあり、多くの学部生にとても人気です。専門的な文献や論文集が適宜増やせたらもっとよいと思います。
これまでに当館は9000冊余りの寄贈図書を頂いてきました。これらの本は次々と目録を作成して貸出書架に出しており、またこれを契機に館内で笹川良一記念文庫を創設しました。本学の学科の建設と発展が大いに促され、多くの教員や学生にとって日本を理解する新たなルートが切り開かれています。この事業が永続することと、中日双方の交流と理解を増進する機会がもっと多くあることを望んでおります。
浙江越秀外国語学院 図書館職員 楊文霞
浙江越秀外国語学院図書館の感謝状
日本科学協會の皆樣へ:
貴協會ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、ご寄贈いただいた図書をご拝受いたしました。誠に心から感謝いたします。貴協会から頂いた日本語の書籍や資料は言語学、文学、哲学、社会科学、伝統教育、歴史文化など、様々な分野にわたっていますので、非常に価値が高いです。おかげさまで、休みの時間を利用して、図書館へ本を借りに来る学生の人数が増えてきます。学生だけでなく、教員の間でも「授業にも研究にもとても役立っています」と大変評価がいいです。ご寄贈の図書に恵まれた学生と教員たちはきっと日本の社会と文化への理解が一層深まるだろうと存じております。書籍は架け橋として、中日友好を深めるための不可欠な存在だと信じております。再び感謝の意を申し上げますとともに、どうか今後ともご協力をいただきますようお願い申し上げます。
末筆ながら、貴協會の益々のご発展、及び皆様のご健勝を心からお祈りしております。
瀋陽師範大学 教員 那宇鵬
「一日本語教育者として」
御多忙中、我が校へご配慮を頂いた事に心より感謝申し上げます。毎年、御館のわが校への書籍の贈呈を、学生のみならず教師一同とても楽しみにしております。特に専門書など、日本語教育に携わる者として国内でなかなか手に入りにくい日本語の原文の文学、言語学や日本語教育、異文化コミュニケーションなどの研究に関する書籍は大変勉強なるものが多く、いつも大切に読ませていただいています。また、文化に関する書籍もバラエティに富んでいて、授業の参考書としてのみならず、個人でも興味深く読ませていただいています。
学生は日本語の勉強のみならず、日本文化に触れる機会として読書を楽しむようになりました。教室での勉強では学べない事を御館からの書籍の中から多く学び、日中交流の懸け橋となる人材を育成することを目指した学科にとって大変喜ばしく、もちろん、私たち教員向けの研究書のみならず、若者向けの小説などで学生たちは現在の日本文化を理解することができ、本から吸収した知識は彼らの日本語学習にとてもよい刺激を与えています。
これからも教師、学生一同、より良い学習環境を作り、贈呈いただいた書籍を有効活用させていただきたいと思います。つきましては、これからも変わらずの毎年御館のご厚意にお礼を申し上げると共に、これからも、変わらぬご高配、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
東北師範大学 図書館司書 許真玉
中日両国は一衣帯水の隣国であり、良好な協力関係を樹立し、共に繁栄し発展することは、すべての有識者の共通認識である。2015年日本科学協会は東北師範大学図書館と図書の贈呈契約を締結して以来、今までもう数万冊の原書を受け取り、本館の日本原書の所蔵を豊富にしました。
これらの原書の内容は日本の政治、経済、文化、教育、文学、言語、歴史、科学などをふくまれでいて、我が大学の教師と学生が日本語原書の需要に大満足し、教育と科学研究にもあるべき役割を果たしています。我が大学はまた日本研究所、東アジア文明研究所、アジア文明研究院、東北アジア地理研究所、日本に留学する予備校などがあって、これらの機関に価値のある参考資料になりました。
本館は積極的に貴協会が提供する選書目録を選ぶと同時に、本校の学生を組織して積極的に贵協会主催の「笹川杯」「品書知日本」「原音の音」などの活動に参加しています。本校の学生も毎年の試合で優秀な成績を上げています。これらはすべて贵協会主催者の大きな支持と助けに離れられません。贵協会と本大学図書館の友好往来は中日友好に対してもっと多くの情熱を持っている人を呼んで、歴史の堅氷を溶かす行動に参加させることを信じています。中日関係の美しい未来のために、たゆまず努力しています。
以下は寄贈した図書が置いている閲覧室の写真です:
南京大学 日本語学科修士課程1年 王婷
日本文庫と私の日本語勉強
こんにちは。南京大学の日本語言語学を専攻している大学院二年生で、王婷と申します。
南京大学で勉強してきた二年間を振り返ると、図書館はどうしても取り除けない重要な存在だと考えています。図書館というより、日本語科の私にとって、日本文庫の方が具体的で適切だと思います。図書館の正門から入り、右、左に二回曲がってから、日本文庫という標識が見えますが、私たちにとって、たったの蔵書のところのみならず、知識の宝庫だと思います。ここでは、日本語原版の書籍は書類が多量で、読みがいがあるので、日本語科の学生ではなく、他の専門の学生も惹かれて本棚のところにじっと立って、この魅力を味わうのです。
本に関する諺はごまんとあるので、再びその重要性を述べたくないが、日本語を勉強している或いは研究している私たちにとってはまさに貴重な資源と言っても過言ではないです。外国語を勉強しようとすると、習得環境は極めて重要で、日本財団に寄付して頂いた数え切れない本は実は条件上の不足を補う存在だと思います。日本人はどのように日本語を勉強しているか、日本の風土はどんな様子か、日本人はどのように考えているか、すべての質問は本場の日本語の本から覗けるではないのでしょうか。距離を縮め、切々とこの日本、日本語を感じて、奇妙で不思議で有難い体験だと思います。どうしても意見を言わせると、新刊本が少ないのは少し残念だと思います。もし近刊・新刊本がもっと置いて頂ければ、最新の日本事情や最先端の研究成果を知ることもできますので、楽しみしております。
最後となりますが、南京大学の学生として、心からお礼を申し上げたいと思います。いつも応援して頂いて誠にありがとうございます!
中国海洋大学 日本語言語文学2年 劉偉鋒
昭関は躊躇の意を知らず洗墨は遥かに謝青山を仰ぐ
自身の専攻が日本語なので、日常の研究と学習でおのずと日本語の資料に触れることが少なくありません。今はネットのリソースもかなり発達していますが、やはりインクの臭いに満ちた紙の本に触れてこそ、本当に研究をしているという実感があります。図書館に行くまで、たくさんの日本語の蔵書が使えるようになるとは思ってもいませんでした。望外の喜びだと言えます。
ネットのリソースと比べて、紙の本は出版情報と追跡がかなり便利で、印刷もかなり鮮明です。借りた本に書き込みができないのは少し面倒ですが、なんと言おうと、こうした多くの本はとても便利です。
前回、吉川英治に関連する作品の資料を調べていたとき、ちょうど図書館で筑摩書房の『吉川英治集』を見つけ、図書館で見つけた他の中国語や日本語の資料と合わせると、他館へ借りに行ったり国際郵便を使ったりといった資料を集める労力がいらず、かなり省力化できた記憶があります。
もちろん、便利であるとともに、蔵書の専門性不足という点は確実に頭痛の種です。各種の本が少しずつはあり、分野は揃っていると言えます。しかし実際に使うとき、やはりもっと専門的な本が必要になるのです。この点についてあまり要求できないことは、自然と理解しています。しかし、もし機会があるならば、私個人の気持ちとして、やはりいくつか専門書の類を追加して、大衆向けの本に限らず補充したいと思います。
吉林外国語大学 日本語専攻4年 周淑敏
『逆襲する日本経済』を読んで
書名:『逆襲する日本経済』
戦後の日本はぐちゃぐちゃで、至る所が瓦礫と廃墟で、人々は路頭に迷っていましたが、日本は短い間に戦前まで戻りました。当時は、日本が戦前のレベルを回復するには100年かかると考える専門家もいました。しかし日本人はこの廃墟と瓦礫の上で、ほんの20年余りで世界の列強に戻り、世界第二位の経済強国になったのです。その主な要因は三つあります。
第一に、日本は第二次世界戦争で深手を負ったものの、実質的な破壊には遭っていませんでした。海外の植民地と周りのいくつかの島を失っただけで、領土の完全性は保たれていました。同時に、日本の大部分の地区は破壊に遭っていませんでした。日本は依然としてかなり良好な経済と工業の基礎や、再び台頭する資本を持っていたのです。
第二に、日本の本土が爆撃を受け、工場、機械、インフラといったハードウェアや施設は深刻な破壊に遭ったものの、人材と技術はまだ残っていました。十分な資金と資源を注ぎ込みさえすれば急速に再建できたのです。戦後、アメリカが日本に対して強力な支援を行い、日本に巨額の資金を注ぎ込んで、大量の技術を移転したことで、日本は急速に生産を回復しました。同時に、日本がアメリカ頼みのため、国外市場が大いに開拓され、原材料の獲得もより手っ取り早くなったことが、日本の経済の発展を直接促進しました。
第三に、日本は戦後に全面的な近代化改革を行いました。改革は土地、商業、社会などの各方面に及び、日本は大体において民主的資本主義の経済制度を確立しました。これによりアメリカ主導の経済体系に溶け込みやすくなったことも、日本経済の活力と原動力を一段と充実させました。
吉林外国語大学 日本語専攻4年 褚錦浩
『10年後の日本』を読んで
このところ日本科学協会から大学に多くの日本語書籍が贈られています。好奇心を胸に、『10年後の日本』を借りました。2008年に出版された本なのでもう12年が経っており、作者の予言が正しかったのか読んですぐ分かります。
書名には日本とありますが、予測されているのは日本に限らず、アジアないし世界についても一部予測されています。日本社会、高齢化のみならず、伝染病、地球温暖化に到るまで見解が発表されています。
書中では、次世代の学力、体力の低下、さらに不安定なアジア情勢、全世界の環境の危機についても予測されています。総じて人類の発展に対してあまり楽観的ではないようです。今年、世界的に深刻な影響を受けている新型コロナ肺炎も予言の中にありました。
この本を読み終えて、人類は未来の発展について予見できるのだという感慨がありました。想像力を頼りに発展する工業技術であれ、そこについてくる「後遺症」――人類、地球へのダメージに対しても。私達はこうした副作用を明らか知っているのに、いまだ回避や防止をしておらず、問題が起きてから処置してばかりです。転ばぬ先の杖は、個人だけではなく、社会、国にも必要です。備えておいてこそ、チェルヌイシェフスキーの言う「未来は美しく輝くものだ。未来を愛そう。未来に向かって突き進み、未来のために働き、未来を迎え入れ、可能な限り現実にしよう」となるのです。
吉林外国語大学 日本語専攻4年 孟小燕
『人生はワンチャンス』書評
書架に並んだ多くの中から、ぱっと見てこの本を選びました。書名は、人生にチャンスは一度しかないという意味です。手に取った瞬間、表紙のイラストに引きつけられ、きっと面白い本だろうと思いました。開いてみると、一言しか書いていない最初のページに感動しました。著者が「犬の一生は短い。欠点はそれだけである」と述べているだけなのです。
この本には犬の写真が65枚あり、彼らから学べることを間接的に教えてくれています。また、65人の偉人のエピソードや名言も紹介されています。こうした名言にあまり興味のあるほうではなかったのですが、この本を読んでみれば、面白みのある本で、作者も面白い人なのだと気づきます。
この本に建前はそれほどなく、簡潔な言葉でもっと楽しくなれる方法を教えてくれます。最も印象に残っている言葉は「手のひらサイズの幸せ」です。続く有名人のエピソードから、身近な小さい幸せを大事にしなければと教えられます。現代社会の発展により、人々は次第に足取りを速めるようになり、身近なものごとを大事にすること、楽しむことを忘れてしまいました。
時代は進んでいますが、私達も成長しています。子供心でいっぱいなのに本当の道理がたくさんのこの本を、もっと多くの人が見られればと思います。人生はワンチャンス。未来に期待できますように。
吉林外国語大学 日本語専攻4年 柴継汝
『人生はZoo(ず——)っと楽しい!』書評
書名:『人生はZoo(ず——)っと楽しい!』
初めに『人生はZoo(ず——)っと楽しい!』という書名を目にしたときから、とてもアイデアがある本だと感じました。表紙の星形にトリミングされた大小2羽のペンギンも、この本を一瞬で子供心いっぱいにしています。開いてみるとかわいい動物たちがそれぞれテーマを表しています。登場する動物は全部で65種類あり、それぞれの習性から私達が生活の上で重視する重要な道理を教えられる本です。
各ページの右側に道理を表す動物が、左側にその詳しい紹介が載っており、紹介文の下に多くの偉人や有名人による名言が並んでいます。知らなかった事柄を徐々に深く理解していくことができます。
実際この本に書かれている道理には、見ても分からないような奥深いものはありません。私達が日常生活の中でよく出会う問題を簡単に紹介して、そういうときどうしたらよいかを平易な言葉で教えてくれます。例えばスカンクの話では、「失敗なんか、屁でもない」というテーマで、かなりくだけた言葉ですが、失敗で打ちのめされないようにと教えてくれます。失敗は成功の母、続けていればきっと成功する、といった話は大衆向けの建前ではありません。こうしたユーモアのある言葉は受け入れやすく、伝える内容が吸収しやすいものです。
他の本との重要な違いの一つがこの点だと思います。現代人は建前に慣れてしまって、気休めも聞き飽きており、小難しい本を読もうとはしません。なので目の前を明るくしてくれるこの本は、おすすめできる良書です。
吉林外国語大学 日本語専攻4年 李増宇
強靱さは平凡さから
--『あんぽん:孫正義伝』を読んで
孫正義の祖母は14歳で朝鮮から日本へ独りで渡りました。その年に23歳年上の祖父と結婚し、貧しい生活を始めたのです。1957年に孫正義が生まれた後も家計が厳しいため、両親とも朝から晩まで働きどおしでした。祖母は食べ物を集めるため、3~4歳の孫正義を連れて毎朝飲食店の残飯をあさりに行きました。ゴミをあさる暮らしが、時期をつかむことを彼に教えたのです。彼は臭気を放つゴミ箱に身を寄せるようになり、そうした不安定な時期は、我慢強かった少年時代の記憶として彼がよく語っています。
まだ物事をわきまえていなかった子供のころ、彼はこの卑しい経験、キムチ呼ばわりされていた祖母を心底憎み、差別されるのは祖母のせいだと思い込んでいました。カリフォルニア大バークリー校で学び、創業してやっと、我慢する力のすごさを祖母がたたき込んでくれたのだと理解したのでした。
生まれ、環境、経歴すべてが違っていても、人生経験は多少なりとも交差するものです。そうした生活経験の中の似通ったところがあると、互いの身近さや影響力が増します。たとえ完全に見知らぬ二人の間だとしても。それが人の長所を取って、他の人から学ぶということでもあります。
大連外国語大 日本語専攻4年 張迪
大連外国語大学に入学したばかりの時、「大外の図書館の5階は全て日本語図書なのですよ。」と、基礎日本語の先生から教えてくれて、授業が終わった後すぐ図書館の5階に至ったということは今でも覚えています。
当時の私は、あんなに数多くの日本語図書を見ると、思わず「すごいなぁ」と口から呟いました。図書館の先生に聞いてみたところ、多くの日本語図書は「日本科学協会」という団体から無償で寄贈されました。まだ平仮名の読み方しかわからなかった私は、先輩たちが一心不乱に日本語図書を読んでいる姿を見て、とても羨ましかったと同時に、一生懸命日本語を勉強して、こちらの日本語図書が読めるようということも決意しました。
三年生の時、私はようやく日本語図書が自由に読めるようになりました。日本の言語、文化、歴史などに興味がある私は、日本の言語学についてもっと知りたい、研究したいと思って、将来大学院生になることを目指しています。
もちろん、大学院生になる前に、日本の言語学や文学に関する本をたくさん読まなければなりません。しかし、今年のコロナの影響で、三年生の下半期に学校に通えなくて自宅待機しなければなりません。家にいる私は日本語図書が読みたいとしても、原版の本が見つけられなかったり、高かったりして、好きのように読めませんでした。そういう時いつも学校の図書館の数多くの日本語図書を思い出して、その中から私の読みたい本がきっと見つけられると思いました。
9月になると、待ちに待った帰校はようやく実現しました。久々に5階の日本語図書閲覧室に行った私は、日本語の歴史、文学、言語学などの本を見ると親しみを感じます。今まで探していなかった本もすぐ寄贈される本棚のところに見つけて、とても感動しました。
「日本科学協会」のおかげで、私たちの日本語学習者は気楽で日本の原版図書が読めて、日本への理解をもっと深まって、日本のことをもっと知ることができます。そして、これらの書籍をしっかり利用して、読む能力を向上させ、将来の研究に役に立てばいいなと思います。本当にありがとうございました!
吉林外国语大学 日本語専攻4年 李亚
夢をかなえるゾウ
自分を変えるために本屋に行って本を買う衝動が何度かあったが、買った本は基本的に2ページを開けた後に捨てられた。この「夢をかなえるゾウ」は高校卒業以来、初めて読みたいと思っている。そして、後の内容を読むのが楽しみである。
その内容は簡単で楽だが、自分の生活や勉強、考え方に影響を与える。いい本に出会うと、正しい人に出会うようです。私は幸運にもそれに出会った。「夢をかなえるゾウ」に出会った。
「夢をかなえるゾウ」の主人公はインドの神様と普通のサラリーマンの青年である。この青年は自分を変えようとしていたが、ずっとできなかった。ある日、神象と出会う。神象は青年の変化に協力するため、毎日青年に課題を与え、完成させる。これらの課題はいずれも生活や仕事、学習に関わるものだ。例えばトイレ掃除など。しかし、これらの課題はあまりにも普通すぎて、自分を変えることができるかと思った人は多いだろう。
自分の立場はその青年にきわめて似ているので、自分を変えたいと思う。この青年と同じように、神様が毎日出す課題を信じて完成した。これらの課題は普通だ。毎日簡単にできる。しかし、これらの普通の小さなことが、自分の心を変えてくれた。
仕事中に嫌なことがあったら、神様のことを思い出す。何があっても、自分のラッキーを暗示する。それから仕事も本当によくなった。かつて悩み事があって、私はただ思うだけ、どうしてこのようにして、どうしてこれらはもうすぐ私の身で発生しない。常にそう思うことができて、幸運は本当に自分に伴ってくる。
これはほんの一例にすぎない。このほかにも、自分を変えて考えさせられることがたくさんある。この本の道理は実は特別なところがない。道理はみんな知っていたが、本当にやるのは難しい。これは道理と実践を結びつけて、人を行動させ、自分を変えていく本だ。
自分を信じて変えられるなら、可能性がたくさんあると思う。この本を必ず読んでください。
吉林外国語大学 日本語専攻4年 王浩然
『憲法を正しく読もう~虛構の憲法と真実の憲法』
京都大学法学博士の飯田忠雄における「憲法を正しく読もう~虚構の憲法と真実の憲法」という本は、日本国憲法に関する著作である。日本国憲法のことに関して、科学的に分析し、現実の生活で憲法がどう実施しているかと論判した。つまり、日本国の政治制度、及び法治社会を基本的に述べた。日本国の法学に興味がある人にとって、本書は大切なものだと思っている。
国の法律の根本は憲法である。国の憲法は、どのような社会性質であるかと決めているのだ。すべての国には、国民の権利、及び義務に関するものを載せているが、具体的に実施すれば、国の実際の状況に寄り、異なると思っている。本書には、法学の面で日本国を分析した。
もし日本国の法学基礎が了解したいなら、本書を読まなければならない。
吉林外国語大学 日本語専攻4年 江周泓
『事を成すためのリーダーの心得100』の感想
この本は孫正義のやり取りによって、全体を通して孫正義のポリシー、志が凝縮された一冊だ。孫正義がすごいと誰だって言うかもしれないが、改めて普通に考えられないことを平然とやる人だと感じた。
印象に残ったふたつがある。
事業ドメインを定義する
安定的かつ継続的に成長していくプラットフォームであるソフトウェア流通に集中した。ソフトウェア開発をしようという意見もあったが、孫は賛同しなかった。ソフトウェアは当たり外れが大きく、それが経営危機をもたらす可能性があったため。
会社の事業を何にするか、ブレない軸を持つことが企業を強くする方法の一つと考える。
起業する分野を考え抜く
孫は最初から情報通信分野で起業することを決めている訳では無かった。幾つかある選択肢の中から、自分自身が50年間、全知全能を注げるかどうか、最終的に情報通信に決めたとのこと。自分が飽きないだけでなく、その分野が拡大する市場かどうかも考慮されていた。
起業を考える際は、どの分野でするか?何を事業の軸にするか?始めてから具体化するのではなく、起業前に十分考え抜かれているかどうかが、その後の道筋を決定すると解釈した。