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立方体地球-Cubic Earth-

どうして「立方体の地球」なの?

この動画は、「地球が立方体だったら、地球表面の環境がどのように変化するか」を考えたものです。現実にはありえない形ですが、このようなことを考えることで、私たちが実際に住んでいる地球の環境がどのようにつくられているか、よりよく知ることができます。
さらに、実際の地球がいかにうまくつくられているかを理解することができるでしょう。

動画の中の地球は、こんな地球

「立方体の地球」を考えるためには、あらかじめどんな地球であるかを決めておかなくてはなりません。現実には存在しないのですから。この動画では、「立方体の地球」は次のようになっていると決めておきます。

立方体地球
立方体地球
立方体地球

1. 地球は一辺の長さが10,000 km の立方体であるとします。立方体の地球の内部の物質は、実際の地球を構成する物質とほぼ同じであるとします。
※ このような形が宇宙空間で安定に存在できるかどうか、という疑問もありますが、そこは考えないことにします。
また、自己重力で立方体が崩壊するようなことも考えません。

2. 太陽と立方体の地球の距離は、実際の地球と同じ距離(1億5,000万 km)であるとします。公転周期は365日で、自転軸は実際の地球と同様に、23.4°傾き、約24時間(正確には23時間56分)の周期で自転しているとします。

3. 自転軸は立方体の中心と正方形の中心を結ぶ直線とします。自転軸のある面を極面、それ以外の面を側面と呼ぶことにします【図参照】。

4. 立方体の地球に存在する大気は、実際の地球に存在する大気と同じ質量で、大気組成も実際の地球と同じであるとします。大気は、地球の6つの面に均等に分配します。

5. 立方体の地球に存在する海洋は、実際の地球に存在する海洋と同じ質量とします。立方体の地球での海洋は、1つの側面にだけ存在するとします。

これらのように決めた「立方体の地球」がどのような環境になるのかを、物理学の法則にもとづいて考えました。映像制作にあたって、必ずしも科学的根拠のない部分もありますが、その点はご了承ください。

続いて、動画に描かれた立方体の地球が、現在の地球と大きく違っている点(気温・気圧・大気の構成・海洋など)について、その科学的な根拠を紹介していきます。

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【地球を構成する物質】

地球は次の図のような構造をしていて、岩石質の地殻とマントル、金属質の核からなっています。地殻に存在する元素は、酸素とケイ素が主体で、アルミニウム・鉄・カルシウム・ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの金属元素で構成されています。中心にある核の部分は鉄やニッケルの金属が主成分となっています。

図1
図1 : 地球のマントルと核の構造の図

1:内核、2:外核、3:マントル、4:地殻、5:地表

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【自己重力】

自己重力は、自分自身にはたらく自分の重力のことです。質量が大きくなると、自己重力によって物体は安定な形である球になろうとします。しかし、ここでは、そうならないと仮定しました。

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【公転】

地球は太陽のまわりを365日で一周しています。地球のように太陽のまわりを回っている天体を惑星といい、「地球は太陽のまわりを公転している」といいます。地球を含んで惑星は8個ありますが、これらの惑星は太陽に近いほど速く、太陽から遠いほどゆっくりと公転しています。たとえば、太陽にいちばん近い惑星の水星は88日で、いちばん遠い海王星は165年をかけて一周しています。

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【自転】

地球に昼と夜があるのは、地球が北極と南極を結んだ軸を中心に、24時間で一回りしているからです。天体が自ら回転することを自転といいます。

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【大気組成】

地球には空気があり、私たち人間はこの空気を吸って生きていくことができます。この空気のことを科学的には「大気」と呼びます。大気にはさまざまな物質が含まれています。大気のおよそ80パーセントは窒素です。私たちが呼吸に必要な酸素は、大気の約20パーセントを占めています。二酸化炭素はおよそ0.04パーセントしか含まれていません。

図2
ただし、この図には水蒸気は含まれていません。
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