- 参加費無料
- 定員150名
事前登録制
開催詳細とタイムテーブル
科学とは?
宗教文化、倫理思想、芸術文化の3つの哲学的テーマから考えると、新しいものが見えてくるはずです。
まずは、宗教と科学の歴史的関係性を理解すると同時に、これからの科学とこころの関わりを探っていきます。
ご挨拶(13:00〜13:10)
開催挨拶 大島 美恵子(日本科学協会 会長)
概要説明 金子 務(総合コーディネーター 大阪府立大学 名誉教授)
第1部 ヨーロッパとの対話 〜知と信の原型から〜 (13:10〜15:40)
モデレーター:岡本 拓司(東京大学大学院総合文化研究科 准教授)
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1伊東 俊太郎「世界宗教と科学」
東京大学 名誉教授 -
「精神革命」の時代において形成された世界宗教の成立とその基本的特長を比較考察し、それに通底する性格を確認した上で、それを保証するものを従来のような垂直的な超越(神、絶対無など)に基づけるのではなく、自己と他者、自己と自然との「水平的超越」によって把え直し、これを可能にする「宇宙連関」に注目する。このことにより、同じく「宇宙連関」を追求する科学と、世界宗教との根源的統合への途を示したい。
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2山口 義久「キリスト教以前の科学と宗教」
宝塚大学 副学長 -
古代ギリシャにおいて理論天文学が成立する出発点となったのは、プラトンがアカデメイアの学者たちに出した惑星の見かけ上不規則な動きを説明するという課題である。これに立体運動幾何学モデルで答えようとする試みが惑星の運動理論を発展させた。この経緯を踏まえて、ギリシャには、理論科学が成立するためにどのような要因があったのかを考察する。そのなかに、神と人間を対比する一種の宗教的発想があったことに脚光を当てたい。
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3嶋田 義仁「人類文明史の再構築から」
中部大学 特任教授 -
アフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明論を支えに人類文明史の再構築を試みている。近代以前に利用可能最大パワーだった牧畜パワーは、移動・運搬手段として長距離交易と都市文化形成に寄与した。政治・軍事手段としては巨大帝国形成の基礎となった。それ故に、多民族・多地域統合の世界文明が乾燥地域に形成された。仏教、キリスト教、イスラームという世界宗教形成も、このような文明形成に対する思想的宗教的対応だった。
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4田中 一郎「ガリレオ裁判」
金沢大学 名誉教授 -
1632年に『天文対話』を出版したために翌年に宗教裁判にかけられ、有罪判決を受けたガリレオの受難は、キリスト教は科学の発展を妨げた、あるいは宗教と科学は対立していたという考えを確からしくさせてきた。しかし,最近になってようやく公開されたヴァチカン秘密文書庫のガリレオ裁判記録は、ガリレオが異端の嫌疑を受けた原因と有罪判決を受けた理由はもう少し複雑だったと示している。
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5パネルディスカッション
第1部講演者(伊東 俊太郎 山口 義久 嶋田 義仁 田中 一郎)
第2部 アジアからのメッセージ 〜こころの深層を巡って〜 (15:55〜18:25)
モデレーター:酒井 邦嘉(東京大学大学院総合文化研究科 教授)
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6正木 晃「科学と宗教の融和と拒絶」
慶応義塾大学文学部 非常勤講師 -
科学と宗教は真理探究の方法が全く異なる。近代科学が17世紀の科学革命をへて成立する直前の16世紀、科学と宗教(キリスト教)は最も激しく対立。その後、カトリックもプロテスタントも科学と融和する道を選び、社会全体の近代化に成功した。融和を正当化する神学上の論理は科学と宗教の棲み分けないし任務分担である。日本では科学と宗教の対立はほぼ生ぜず、現在ではむしろ宗教が科学に媚びる傾向が指摘できる。その理由は?
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7植木 雅俊「原始仏教における知と信」
NHK文化センター 講師 -
インド人は、ものごとや現象自体よりも、その背後にある普遍性を重視する。よく言えば哲学的、宗教的、詩的民族である。しかし、悪くすると迷信的・呪術的傾向に陥りやすい。バラモン教は、宿(しゅく)業(ごう)を説いてカースト制度を正当化し、火の儀式(護摩(ごま))や沐浴(もくよく)による悪業(あくごう)の浄化を説くなど迷信に満ちていた。仏教はそうした迷信や呪術を徹底的に批判し、ありのままにものごとを見ることを通して真理(法)と自己に目覚めることを強調した。
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8前野 隆司「脳とこころと無意識」
慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 委員長/教授 -
「脳と心と無意識」について講演する。まず、講演者が提唱した受動意識仮説について説明する。また、受動意識仮説と仏教の関係についても述べる。次に、講演者が因子分析の結果求めた幸せの4つの因子について述べる。宗教との関係について何か感じていただければ幸いである。
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9安藤 礼二「鈴木大拙・折口信夫・宮沢賢治」
多摩美術大学美術学部 教授 -
グローバルな視点から日本思想とは何かを考えなければならなかった鈴木大拙は、極東の列島で変容した仏教思想の核心を、人間をはじめとする森羅万象あらゆるものには仏となる種子が孕まれているとする「如来蔵思想」として位置づけた。精神と身体、主体と客体の合一を唱え、仏教とキリスト教、さらには心理学や進化論をも一つに総合しようとした大拙の営為は、民俗学者の折口信夫、文学者の宮沢賢治にも直接的・間接的な影響を与えた。
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10パネルディスカッション
第2部講演者(正木 晃 植木 雅俊 前野 隆司 安藤 礼二)