気温を決める要素
まず、大気の温度について考えましょう。登山をすると分かるように、気温は海抜高度が高くなるほど低くなり、1km上がるごとに、ほぼ6.5℃低くなります。これを気温減率が6.5℃/kmであるといいます。地上の気温は1日の間でも、季節によっても、かなり変化します。気温を決めているものは何でしょうか。地上気温は、
①太陽から降り注ぐ太陽光線のエネルギーの量
②地球が太陽エネルギーを吸収する割合
③大気中の温室効果ガスの量(主に、水蒸気)
で決まります。太陽から地球に降り注ぐ太陽光線の3割は、地球に反射して、宇宙に戻ってしまいます。このことを、「反射率が0.3である」といいます。そのため、地球が吸収できる太陽エネルギーは、降り注いでくる量の7割ということになります。
地球表面では、地域や時間によって、気温は大きく変動しますが、宇宙から地球全体の平均気温を見ると、常に−18℃の星に見えます。この温度は、地球全体の温度を平均したとすると、約5kmの高度に対応します。地上気温を地球全体で平均すると、約15℃になります。
立方体地球の海面気温は高い
立方体地球の海上の大気環境も、実際の大気環境と似ています。高度5kmの気温が255Kと仮定しましょう。すると、1気圧の気温は288K(=15℃)です。気温減率は、6.5℃/kmなので、1気圧から9気圧のところまでの気温差は、58.5℃になります。つまり9気圧の大気の海面上の気温は、73.5℃になります。私たちの丸い地球よりも高温になると考えられます。
気温は反射率によっても変化することをすでに書きました。反射率は雲量によって変化し、雲量が多くなると反射率は大きくなります。私たちの丸い地球の空の面積に占める雲の割合は、常に0.5程度で、反射率0.3が維持されています。
[後編]の動画では、海面気温を65℃に設定しました。これは、私たちの地球よりも雲量が多いと考えたためです。