海を一つの面に集めると・・・
わたしたちの丸い地球には、浅い海から深い海までいろいろあります。でも、深い海といっても、だいたい4kmくらいで、一番深いところでも10kmくらいです。直径13,000kmのわたしたちの地球を、直径30cmの地球儀にすると、海の深さは0.1mmで紙1枚分の厚さしかありません。これに対して、立方体地球の海の深さは約300kmもあります。一辺が30cmの立方体地球儀の上では、1cmくらい(ビスケット1枚くらい)の厚さになるのです(図8)。
丸い地球の表面に薄く広がっている海と同じ量の水を、立方体の一つの面にすべて集めるとしましょう。深い海に集めることができれば、海の面積は小さくなります。こうすると立方体地球の海は直径が約3,500kmとなり、立方体の一辺の長さの約1/3です。丸い地球の表面の約7割となるわたしたちの海とはずいぶんちがいます。
立方体地球の海はほとんど動かない
このように立方体地球では海の占める面積が小さくなります。海の真ん中は赤道ですが、立方体地球の海で一番緯度が高いところでも、ハワイくらいの緯度になります。南極や北極に近いところはありませんから、どこもほとんど同じ温度になってしまいます。現在のわたしたちの海は、冷たくて重たい水が北極や南極の近くでできて、深いところまで沈んで対流していますが、立方体地球の海では、300kmのように深いところまで対流する力がありません。だから、海の水のほとんどは止まっています。
立方体地球の深くて暗い静かな海の底では、ものすごい圧力になります。そのくらい圧力が高いと、100℃で水は沸騰しないどころか、100℃でも氷になってしまいます。