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公益財団法人 日本科学協会

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立方体地球-Cubic Earth-

大気はどこにあるの?

大気って、どこまであるの?

 私たちの地球のまわりには大気があり、窒素が8割、酸素が2割でできています。私たちはふだん、この大気の重さを感じることはありませんが、大気にも重さがあります。地面にどれだけの大気の重さがかかっているかを、圧力で考えたものが、天気予報で耳にする「大気圧(気圧)」です。

図1
図1 : 現実の地球の大気圏の厚さ

現在の地球と同じ量の大気が立方体地球の上に積もったとしたら、気圧の分布はどうなるでしょうか。

 現実の地球では、海面と同じ高さの地表面にはどこでも、同じ量の大気が積もっています。その結果、地球表面のどこでも、海面気圧は1気圧に近くなります。つまり、地球表面のほとんどが生存可能な地域になります。地球表面のどこでも人が住むことができ、自由に世界旅行ができるのです。

 私たちは、大気圏の中にいるので、どのくらいの分量の大気が地表面に積もっているか、感じることはできません。登山をすると、次第に気圧が下がっていきます。高いところに行けば行くほど、上に積もっている大気が少なくなるからです。つまり、大気圧は高さとともに減少していきます。高度100 kmまで上昇すると、気圧は地表面の百万分の1ほどになり、科学者はそこを大気圏の限界と考えています。大気圏の厚さは、ほぼ100 km ということです(図1)。

海面の大気圧を計算してみよう

海面高度にある1cm2の面積の上に積もった大気はどの程度の重さになるでしょうか。

肉や野菜を量りに乗せて重さを量るのと同じような方法で、大気の重さを量ることはできません。しかし、大気の重さは、1 cm2 の面積の上にある水銀柱76cm の重さと等しいことが知られています。水銀の密度は、13.6 g/cm3 です。断面積が1 cm2で長さ76 cmの水銀の柱の重さは、

13.6 g/cm3 × 76 cm = 1033.6 g/cm2

です。すなわち、海面と同じ高さにある1 cm2 の面積の地表面の上には、約1 kg の空気が積もっているのです。地球全体の空気の重さMは、

M = 5.1×1018 kg

という計算になります。
※ 10の右肩についている数字は、「10を何回かけるか」という意味を示しています。たとえば、10000=10×10×10×10 となり、10を4回掛け合わせているので、104と表します。これを「累乗」といいます。こうすると、桁の大きな数も簡単に表すことができます。

では、立方体の地球を考えましょう。同じ量の大気が、立方体の各面に同じだけ存在しているとします。立方体は面が6つありますから、ひとつの面には、

M/6 = 0.85×1018 kg

の大気が積もることになります。

図2
図2

大気は、立方体地球の上に、ほぼ球状に積もります。重力の大きさは、地球の中心と、引きつけられる物体の距離によって決まります。同じ重力の大きさがはたらく面は、“地球の中心”を中心とする、同心球面になります。大気も重力によって地球に引きつけられているので、空気の量が少ないときは、立方体の中心分だけに「こんもりと盛り上がって」空気が存在することになります(図2(A))。大気は、正方形の中心部に、凸レンズ状に積もることになります。大気の量が多い場合は、立方体全体をおおいつくすでしょう(図2(B))。

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【圧力】

圧力とは、単位面積(たとえば、1m2や1 cm2)にどれだけの大きさの力がかかっているかを示すものです。力の単位は kg重やg重を使います。1kg重は、1 kgの物体が地球に引かれる力(重力)の大きさです。そのため、一般に圧力の単位はkg重/cm2などを使います。

気圧の単位は、「気圧(atm)」という単位で表します。私たちが住む地表では、おおよそ1気圧の圧力がかかっているのです。

天気予報では、かつて気圧の単位として、ミリバール(mb)が使われてきました。しかし、世界的に圧力の単位としてPaを使うことになり、現在はパスカル(Pa)という単位が使われています。ところが、天気予報でこれまで慣れ親しんできたmbから、Paに変えたとき、数字も桁が変わってしまうとわかりにくくなってしまいます。そこで、数字の桁が変わることのないように、1 Paの100倍にあたるヘクトパスカル(hPa)を天気予報で使っています。つまり、1 mb = 1 hPa となるわけです。

1気圧は、ほぼ1kg重/cm2 で、さきほどのmbやhPaとは次のような関係があります。

1 気圧 = 1013 mb = 1013 hPa

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【大気圏】

 地球を取り巻いている大気のまとまりを、大気圏と呼びます。大気圏は層状になっていて、地球表面に近いところから、対流圏・成層圏・中間圏・熱圏と名前をつけています。熱圏の外側を外気圏と呼ぶこともあります。
 雨や雪をもたらす雲は、対流圏にあり、地球全体を流れる、緯度50°付近を流れる強い西向きの風である偏西風、緯度30°付近から赤道に向かって吹く東向きの貿易風なども、この対流圏で起こります。

画像出典:
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Atmosphere_layers-jp.svg

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